食&酒

2023.09.02

なぜ「ガチ中華」は日本に定着した? 学生ミーティングで語られたこと

池袋には中華食材店が多く、その場で食べられるファストフードも多い(中国物産「海羽」池袋店)

8月19日、東京・池袋にある「HIRAKU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARY」という新コンセプトの図書館で、「『ガチ中華』学生ミーティング」というイベントが行われた。
 
「ガチ中華」に関心のある学生や留学生を中心に意見交換をする集まりで、呼びかけ人の1人である立教大学観光学部4年の二ノ宮彩実さんが、開会にあたって次のようにあいさつした。
 
「ガチ中華を通じて出会った4人が、これまで活動してきたことや考えてきたことを発表する場で、参加いただいたみなさんと意見交換したいと思っています」
 
実は、筆者はこの4人のうちの1人で、残りの2人は立教大学観光学部3年の中原美波さんと筑波大学大学院生で中国人留学生の王振一さんである。会場となった図書館の職員で、大学在学中に筆者が主宰する東京ディープチャイナ研究会のメンバーでもあった植田美佳子さんが司会を務めた。

「HIRAKU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARY」は、本を起点に社会をデザインする場所として今年5月にオープン

「HIRAKU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARY」は、本を起点に社会をデザインする場所として今年5月にオープン

「ガチ中華」を食べる4つのタイプ

ミーティングへの参加者は、「ガチ中華」を愛好する人たちや中国人留学生などで、学生と社会人が半々。2部構成で、第1部は「『ガチ中華』とわたし」と題され、まず前述の4人がそれぞれ約20分、「ガチ中華」について考えていることを発表した。
 
トップバッターは中原さんで、「私を“ガチ”にしてくれたガチ中華ライター活動」というタイトルで始まった。

「ガチ中華の世界に徐々に引き込まれるようになった」(中原美波さんのパワポ資料から)

「ガチ中華の世界に徐々に引き込まれるようになった」(中原美波さんのパワポ資料から)


中原さんは、今年3月から東京ディープチャイナのメンバーとしてウエブライターをしている。小籠包が好きという彼女は、大学1年のとき、中国の学生と「春節料理」という話題でオンライン交流した。2年のときに、東京ディープチャイナ研究会が著した「ガチ中華」の案内書「攻略!東京ディープチャイナ」(産学社)を読んで、メンバーとなった。
 
発表では、ウエブライターの活動を通じて「これまで知らなかった料理に出会え、ガチ中華の奥深さや料理を提供するオーナーや店員の想いを知ることができた。多くの友人が記事を読んでくれたことでやりがいを感じた。お店に連れていってほしいという声も多く、学生という立場で情報発信することの意義を感じる」と話した。

中原美波さんが書いた食レポ「私が生まれる前の中国にワクワクトリップ!上野「九年食班」でレトロ中華」

中原美波さんが書いた食レポ「私が生まれる前の中国にワクワクトリップ!上野「九年食班」でレトロ中華」

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写真=中原美波、王振一、二ノ宮彩実、東京ディープチャイナ研究会

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