リーダーシップ

2023.09.01 10:00

仕事から離れられる休暇を。秘訣は「カルチャーづくり」にあった

採用チームはいつでも熾烈な競争の中にいる。数ある採用企業の中から自社をどうやって選んでもらうかを必死に考えている。そのための有効な手段の一つが、社員からの紹介だ。社員からの紹介を増やすために紹介ボーナス制度を導入したり、システムを入れたりすることはできるが、それだけでは紹介数は増えない。大事なのはカルチャーを作ることだ。

ことあるごとに発信し、お願いし、情報共有し、思いを伝え、ワークショップを開き、気がつけばカルチャーができていた。もちろんその先に結果もついてきたが、大事なのはカルチャーができるまでだった。結果は自然についてくる。

もう一つ例を紹介しよう。とあるチームのメンバーは、いつも上司からの指示の実行に長けていた。常にトップダウンの意思決定で、実行部隊のように育ったからだ。そこへ新しいリーダーがやってきて、何か新しいアイデアはないかと尋ねたが、誰からもアイデアは出てこなかった。それからそのリーダーは、常に「何かよいアイデアはないかな?」と問い続けた。

半年後、一人のメンバーが奇抜なアイデアを発表した。整理もされておらず、ぐちゃぐちゃなプレゼンだったが、自ら考えたものだった。リーダーはそのアイデアを歓迎し(正確にはアイデアを出した勇気を歓迎し)、整理を手伝い形になるまで手伝った。今ではみんなからアイデアが出るチームになった。
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もう気が付いたかもしれない。カルチャーというのは、言語化が難しく、得体が知れない。何か変化が起きた時に「これだったのか」と気が付くことができるものを追いかけるのは、勇気もいるし、パワーもいる。何よりも時間がかかる。ゴールは不明確だし、投資対効果がわかりやすいわけでもない。カルチャーの礎になるのは、リーダーの信念だけなのではないかと思う。

リーダーは強い信念を持てた時、カルチャーと言う強力な武器を手に入れる旅をはじめることができる。そしてその先に強いカルチャーのある理想の組織を作っていくことができるのである。

文=西野雄介

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