2016年の調査でも、日本国内で国際姉妹都市を提携している自治体は1696。国別ではアメリカ合衆国を相手にした姉妹都市提携が447で最多となっている。
なかでも「ハワイ」相手の姉妹都市は人気が高い。ハワイの持つブランド力、神通力は日本人にとってはやはり大きいし、自治体の首長をはじめとした役人や地方議会議員が現地に出向く際の距離も近い。いや、実際には「ハワイなら行きたい」という知事や市長が多いのではないかと筆者は勝手に推測している。
ハワイ州との姉妹都市は6つ
ところで、ハワイと姉妹都市提携している日本国内の自治体がいくつあるか、ご存じだろうか。そう聞くと、だいたい返答は「5つくらい?」という答えと「何10もある」という答えの両極端に分かれる。実は、どちらの答えもある意味では当たっている。正解は、総数で言えば31だ。
ただ、ハワイ州全体と姉妹都市を結ぶ都道府県に限って言えば6つ。提携が古い順に、福岡県、沖縄県、広島県、愛媛県、北海道、山口県。それぞれに移民が多かったり、歴史的なつながりがあったりする自治体が中心だ。
そしてハワイ州以外の、市や郡との姉妹都市が25ある。カウアイ郡と周防大島町(山口県)とか、マウイ郡と八丈町(東京都八丈島)とか、意外に町単位での提携も多い。最近では、2022年に東京23区で初めて江戸川区がホノルル市と姉妹都市契約を締結した。
そんなハワイと提携している姉妹都市たちが、一挙にハワイに集うイベントがこのほど開催された。
7月27日と28日の両日、ハワイで初めてとなる「姉妹都市サミット」がヒルトンハワイアンビレッジを主会場として行われた。主催はハワイ日米協会。1976年の設立以来、日米の市民交流の促進に取り組み、1995年に日米の民間レベルの国際シンポジウムを初めて開催した実績もある協会だ。 今回のサミットのテーマは「私たちをつなぐ絆(=THE TIES THAT BIND)」。日本から6つの道と県、そして16の市区町から、県知事や市長、町長、区長が参加した。ハワイからもハワイ州知事、ホノルル市郡長、カウアイ郡長、マウイ郡長、ハワイ郡長が参加。情報交換やパネルディスカッションを行った。
実はこの「姉妹都市サミット」、コロナ禍も重なり、2年ほど延期されていた。
つまり晴れて開催に至ったのだが、このようなサミットは、ハワイでは初めての取り組み。その産みの苦しみを担当したのが、ハワイ日米協会の元会長(現理事)で今回のサミットでは共同代表を務めた三輪久雄氏だ。三輪氏に話を聞くと、まさに「0を1にする」苦労が垣間見えた。