ウォルマートは、2年前からドローン宅配のテストを行っている。同社の最大のライバルであるアマゾンはドローンの試みで足踏みしているようだが、ウォルマートは36店舗を拠点に7つの州でドローン宅配を提供しているという。
「目視外飛行が可能なドローンを使って、ドローン宅配サービスを提供する店舗から6マイル(約9.7キロ)の範囲に住む顧客にオンデマンドデリバリーを提供できるようになる。顧客は、アイスクリームが食べたくなった時にはフローズンスイーツを、調理済みのメニューが必要なときにはマカロニ・アンド・チーズを購入したりできる」とウォルマートのシニア・バイス・プレジデントであるPrathibha Rajashekharは声明で述べた。
ウィングは今年初め、セルフローディングによるハンズフリー集荷や、配達・配達範囲・充電の最適化を図るための多地点ルート飛行を可能にする複雑なルート管理の実装など、機能を大幅にアップグレードしている。
ウィングは、オーストラリアとカナダで数十万件のドローン宅配を実施している。その中には、世界初となるショッピングモールから顧客の自宅までのドローン宅配サービスが含まれる。同社は最近「航空機ライブラリ」をリリースしており、さまざまな目的に使用できる効率的な貨物用ドローンを迅速に作ることを可能にした。
ウォルマートは、すでにダラス近郊で11カ所のドローンハブを運用しており、テキサスは貨物ドローン配達におけるイノベーションの中心地となっている。ウィングによると、新たに追加した2カ所のハブでのサービスは数週間以内に開始する予定という。
停滞するアマゾンのドローン宅配
「今回の提携は、我々が世界で最も重要な配送業務を支援する能力の構築を目指す上で重要なマイルストーンだ。我々のテクノロジーは既存の配送サービスを補完し、システム全体をより効率的にすると同時に、真の顧客ニーズに応えることを可能にする」とウィングのCFOであるシャノン・ナッシュは述べている。ウィングにとって、ウォルマートとの提携は大きな成長ドライバーであり、同社に必要なものだ。アイルランドの貨物ドローン配達スタートアップ「Manna Aero」も、これまでにドローン宅配を数十万回行っており、近い将来米国と欧州本土にサービスを拡大する見込みだ。アマゾンがこれらの企業に対抗するのは容易ではないだろう。
アマゾンのドローン宅配サービスである「アマゾン・プライム・エア(Amazon Prime Air)」は、現在も人材採用を行っているが、求人ページに掲載されている「新型配送ドローン」を紹介するユーチューブ動画は4年前に作成されたものだ。
(forbes.com 原文)