ビジネス

2023.08.30 18:00

上場企業社長やハリウッドセレブが参加する「インド山奥の修行」とは

ラーニングエッジ代表取締役 清水康一朗

ラーニングエッジ代表取締役 清水康一朗

近年、ビジネスリーダーの方々からインドとビジネスの関係について聞かれることが多くなりました。インド人ならびにインド出身者は、Microsoft、IBM、Googleなど時価総額の高いグローバル企業のCEOであることが多く、いま最も注目されている国のひとつです。

個人的には、20歳代のころから、ときおり旅や仕事でインドに訪問しており、最近、インドのチェンナイで参加したプログラムの様子をSNSにアップしたところ、驚くほどの反響が得られました。そこで今月は、私が体験したインドの山奥でのプログラムと、そこで得たビジネスで活かせるヒントをお話したいと思います。

きっかけは世界的指導者のメンター、アンソニー・ロビンズ氏から

私がインドに行くきっかけとなったのは、世界No.1コーチとして知られるアンソニー・ロビンズ氏(通称トニー)がきっかけです。トニーの日本でのプロモーションを、私が経営する会社ラーニングエッジで担当させて頂いていて、これまでに1万人以上の日本人にトニーのプログラムを紹介してきたのですが、折にふれて彼から「インドに凄い人がいて、世界中のセレブが集るんだ!」と聞かされていました。

そして1年以上コーチングの予約が取れないと言われているほどの忙しいトニーが、インドの山奥まで行って妻のセイジと共にプログラムに参加した、といったストーリーも聞いていました。「脳みそがぶっ飛んだよ!多くのケースで僕は先生だけど、ここではひとりの生徒なんだ」と聞かされていたので、少なからず興味を持ってはいたのです。

トニーは、彼のコーチングにおいて、著名なアスリートや映画俳優、各国大統領などの政治家、世界的な経営者などのリーダーを対象に「ピークステート」というあり得ないほどに高いパフォーマンスを出せる状態に導いていきます。それは、トニーの得意技といってもよい技術なのですが、ある時からトニーが、「ピークステートだけではなく、ビューティフルステート(美しい状態)であることが大事」と語り始めたのは印象的でした。

つまり、目標を達成していくには、「達成のサイエンス」ともいうべき「やり方」があって、それをするためには、自分のやる気やマインドを高めて、エネルギー状態を引き上げ「ピークステート(最高の状態)」にもっていくスキルが求められる。

けれども、幸せな人生のためには、「充実のアート」ともいうべき「あり方」があって、そのためには、「ビューティフルステート(美しい状態)」で生きていくことが大事だ、というのです。

この「ビューティフルステート」という概念を深く哲学的に学ぶことができるのが、インドのチェンナイにあるアカデミーです。代表者は、クリシュナジとプリタジ。ここでは、「ワンネス(ひとつであること)」の意識になれば、ビューティフルステートでいられる、と教えられます。そのようなレクチャーを受けたインドでの2週間は、ビジネスヒントに転換できそうなエッセンスが詰まった、生まれて初めての体験でした。

次ページ > ワンネスをロジカルに悟る、2週間のプログラム

文=中村麻美

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