音楽

2023.09.06 13:00

音楽の冒険家、ピアニスト上原ひろみが誘う「ワンダーランド」

実はYouTubeやインスタグラムを活用した情報発信に、上原にはまだ少し戸惑うことがあるという。「ライブに足を運んでいただいた方々に感謝の気持ちを伝えたくて、ふさわしい言葉を見つけようとするのですが、何でもないひと言のために時間をかけ過ぎだと、いつも周囲に指摘されています。SNSネイティブ世代のアドリアンを見習って、楽しみながらテンポ良く上手に活用できるようにがんばります」と、上原は照れくさそうに笑った。

もっとも、上原の創作活動や新しいニュースがいつも気になるファンにとっては、SNSで上原と「つながっている」ことが何よりの喜びと安心感になっているのだが。

写真=樋口勇一郎写真=樋口勇一郎

11月にはアルバムツアーが日本上陸

『ソニックワンダーランド』のコンサートツアーは10月にアメリカで幕が開がり、11月には待望の日本上陸を迎える。

「私は幸運にもパンデミックの間も100本を超えるライブをブルーノート東京でコンスタントにやらせていただきました。インターネットでライブを配信していた時期にも、やはりお客様がいてくれてこそライブだということを多くのミュージシャンが痛感したと思います」

Hiromi's Sonicwonderのプロジェクトメンバーとともにまた観客と、そして会場と一体になって音楽をつくる冒険に踏み出せることを、上原もとても幸せに感じているという。

日本のコンサートツアーでは2つのスタンディング公演を予定している。11月22日の初日となる渋谷「Spotify O-EAST」と、12月19日の大阪「なんばHatch」のライブだ。

「スタンディングのライブはこれまでにも何度かやってきましたが、いつも私たちミュージシャンが座ってるのに、お客様だけがスタンディングというのもどうなんだろうと、前からすごく思っていました。今回は私たちも4人のメンバーのうち2人(ベースのアドリアンとトランペットのアダム)がスタンディングです。そして私もNord Lead(シンセサイザー)は立って演奏します。すべての会場で、足を運んでいただく観客のみなさまの熱気が、私たちの演奏に出会ってどんな化学反応を起こすのかとても楽しみです」

旅は道連れ。たくさんの来場者で賑わう会場が感動に満ちる様子を、自身の目と耳で確かめるために出かけたい。

連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>

編集=安井克至

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事