ロアークはジョージア州アトランタに本社を置くプライベートエクイティー(PE)投資会社で、バッファロー・ワイルド・ウィングスやアービーズなど複数のレストランやフランチャイズブランドに出資している。
サブウェイは100カ国以上で合計3万7000店あまりを展開している世界最大級のファストフードチェーン。1965年、当時17歳だったフレッド・デルーカが大学進学の費用を捻出するため、家族の友人ピーター・バックの出資を受けてコネティカット州ブリッジポートで開いた店が発祥だ。
デルーカが2015年、バックが2021年末に死去したあとも、サブウェイは最近まで2人の親族によって経営されてきた。ロアークへの身売りで、60年近くにわたる一族の所有に終止符が打たれることになる。
経営の立て直し進む
サブウェイにとってこの10年ほどは多難だった。他社との競争激化などを背景に売上高が落ち込み、2015〜2021年に6000店以上が閉鎖された。店舗間の距離が近すぎたり、加盟店間の対立が表沙汰になったりした問題にも苦慮した。2019年には創業者の家族でない初のリーダーとしてジョン・チッジーが最高経営責任者(CEO)に就任し、メニューの見直しやブランドの刷新、本社の人員削減といった改革を進めてきた。
チッジーのもとでサブウェイは形勢を逆転させつつある。米国外での拡大はこれまでサブウェイの弱点の1つだったが、6月に中国の上海富瑞食企業発展有限公司と結んだものを含め、米国外のマスターフランチャイズ契約を過去2年で13件締結している。上海富瑞食との契約では中国で向こう20年に4000店を出店することになっている。
サブウェイの世界売上高は増加しており、米国売上高も10四半期連続のプラス成長を記録している。ロアークはサブウェイの将来と、現在の上昇軌道を拠りどころできるという点に関して、明らかに楽観的な見通しを抱いているはずだ。
チッジーはロアークによる買収について「サブウェイの長期的な成長の可能性、そしてサブウェイのブランドと世界中のフランチャイズ加盟店の大きな価値を反映したものです」と説明。「サブウェイはロアークとともに明るい未来を歩んでいき、引き続き加盟店とお客さま、そして従業員のウィン・ウィン・ウィンのアプローチを大切にしていくことを約束します」と続けている。
買収は規制当局による承認を受け、一般的な完了条件を満たす必要がある。
(forbes.com 原文)