2月にリリースされたLinux 6.2カーネルでは、Appleシリコン、特にM1ファミリーが初めてメインラインとしてサポートされたが、Appleシリコンを使っているLinuxユーザーの多くはAsahi Linuxを使っている。
そのAsahi LinuxにOpenGL ES 3.1ドライバーが追加されたことは、アップルのハードウェアでLinuxを動作させる際に、最先端のゲームプラットフォームとしての潜在能力を解放するための重要なステップだ。ドライバー自体はオープンソースで、Khronos標準化団体(クロノスグループ)によって適合性が確認されている。
なぜそれが重要なのか? というのも、これらのドライバーは Macのハードウェアで利用可能な、唯一の適合グラフィックドライバーだからだ。
「アップルのM1ドライバーは残念ながら、VulkanであれOpenGLであれOpenGL ESであれ、どの標準グラフィックスAPIにも適合していない。つまり、(Linuxを使用していない場合)標準規格を使用したアプリケーションがM1/M2で動作する保証はないということだ。これは単なる理論上の問題ではない」
アップルのユーザーの多くは、macOSというベルベットに裏打ちされた壁に囲まれた庭の中にいることに満足しているが、自分のハードウェアをもっとコントロールしたい人にとっては、OpenGLのサポートが追加されたことで、すべてがほんの少しオープンになった。
問題は、アップルがこの小さなプロジェクトに参加し、自社のグラフィックドライバーが期待される標準を満たしていると署名する気があるかどうかだ。もしアップルが、macOSをゲーマーや有力タイトルのためのプラットフォームとして売り込みたいのであれば、Asahi Linuxと同じ道を歩まない理由は見当たらない。
(forbes.com 原文)