どういうことか、説明しよう。
私が印象的に覚えているのは、当時小学2年生だった娘の保護者面談に出席し、担任の先生と顔を合わせたときのことだ。その教師は娘を「スパイシー」と形容した。私が真っ先に考えたのは、こんなことだった。「大変だ、それはどういう意味だろう? 直すために、いったい何をしなきゃいけないんだ?」
面談から帰宅し、時間をかけてその発言について考えたあとでようやく、教師が言ったことは、(教師本人にそのつもりがなくても)実のところほめ言葉なのだと思い至った。
スパイシーさは、この世界で娘の役に立ってくれるだろう。私は心のうちでそう考えた。人に振りまわされることはないだろうし、活気にあふれた人生を送れるはず! すばらしい!
うれしいことに、私は正しかった。当時8歳だった娘は現在、成功した若い女性に成長し、世界を飛び回っている。
きっとあなたのチームにも「スパイシー」な人が何人かいるはずだ。そうした人は、自分独自の考えをもち、必ずしも上の指示に従わず、あなたが「とにかく同意してくれればいいのに」と思っているときに反発してくる。
彼らは時々あなたの胃を痛くさせるが、それでも彼らは、世界と引き換えにしても手放せないくらい大切な存在だ。何しろそうした人たちは、型にはまらない思考を提供してくれる。チームは、時に引っかきまわされる必要がある。スパイシーな人たちは、リーダーとしてのあなたの能力を試し、より良いリーダーになるよう促してくる。