Xは、昨年10月にマスクによって買収されて以来、大きな混乱が続いている。だがマスクはこの日の投稿で、Xの時価総額が1兆ドル(145兆円)になることは「不可能ではない」と主張した。
A trillion dollar market cap for this platform is not out of the question
— Elon Musk (@elonmusk) August 23, 2023
マスクはこれまでにも、時に大それた予測を口にしてきた。1兆ドルという額は、マスクが2022年にツイッターを買収した際に支払った440億ドル(約6兆4000億円)をはるかに上回っている。
マスクはツイッター買収直後、従業員の大半を解雇。従業員数は7500人以上から1300人程度に減ったとされ、サイトの適切な維持やコンテンツ管理、規制遵守に必要な人員が確保できないのではないかという懸念が高まった。
突然の解雇をめぐり元従業員からの訴訟も相次ぎ、最終的に数億ドル(数百億円)の支払いを強いられる可能性もある。マクスによる一連の方針転換はユーザー離れにつながり、企業が広告を引き上げたことで広告収入も激減した。
また、元ツイッター関係者が開発したBluesky(ブルースカイ)やSpill(スピル)、そして米メタのThreads(スレッズ)などの競合サービスとの争いもある。
ツイッターはわずか数カ月の間に、Xへのブランド変更を含む劇的な変貌を遂げた。マスクはツイッターを象徴していた鳥のロゴを変更したが、フォーブスが取材した専門家は、この変更により数十億ドルのブランド価値が消え去る恐れがあると語っている。
この変更は、マスクがかねて目指してきた、Xを中国のWeChatのような「万能アプリ」(スーパーアプリとも)に変えるためのものだ。こうしたアプリは、配車サービス、料理の宅配、決済、投資、メッセージなどの機能を盛り込んだ、いわばスイスアーミーナイフのようなアプリで、アジアの一部地域では日々の生活に欠かせないものとなっている。
このようなモデルが欧米市場で普及する可能性は大きく、専門家は今回のブランド再構築は、Xをソーシャルメディア以上の存在に昇華させる好機だとフォーブスに語っている。
これまでに時価総額が1兆ドルを突破した企業はごく少数だが、マスクが創業した電気自動車(EV)大手テスラは2021年、これを達成した米国史上6社目の企業となった。テスラの時価総額はその後、大きく低下したが、それでも7300億ドル(約106兆円)余りを維持している。
(forbes.com 原文)