経営・戦略

2023.08.23 09:45

アメリカン航空、料金体系の「抜け穴」を使う低価格チケット販売サイトを提訴

2014年、ユナイテッド航空が今回のアメリカン航空と同様の理由でSkiplaggedを訴訟し、Skiplaggedの行為を「厳格に禁止されている」経路を宣伝する「不当な競争」であると主張した。しかし2015年、イリノイ州判事は、訴訟が起こされた同裁判所の管轄内でSkiplaggedが営業していないという理由で訴えを退けた。また、同訴訟に原告として参加していた旅行代理店のOrbitzはSkiplaggedとの示談に応じ、Skiplaggedは顧客をOrbitzのウェブサイトに誘導したり、Orbitzのブランド、ロゴ、商標、画像、その他の著作物を使用をしないことに同意した。

「隠された都市」戦略は違法ではないが、アメリカン航空を含め複数の航空会社が会社のポリシー違反であると主張しており、顧客がチケットを自身で購入したかSkiplaggedのような第三者経由で購入したかに関わらず、その行為を厳しく取り締まろうとしている。

今年7月、アメリカン航空は、その手法を利用したフロリダ州の10代に対し、行為が発見されてから3年間、同社のフライト利用を禁止したとBusiness Insiderが伝えた。2018年にルフトハンザは、シアトルからフランクフルト経由でオスロへ行く航空券を購入し、フランクフルトの空港で降機して立ち去った乗客を訴えた。こうした理由によりSkiplaggedは、チケットを購入しようとする顧客に対して「航空会社はあなたが節約するために飛行機に乗り損なうことを喜ばないので、あまり使いすぎないように」という「怒れる航空会社」と題した警告を事前に表示している。

「航空会社があなたに見つけてほしくないフライトを探そう。私たちは、みなさんが節約するために航空会社の価格設定の抜け道を暴いています」とSkiplaggedのウェブサイトに書かれている。

アメリカン航空は訴状の中で、Skiplaggedを「アメリカンと乗客の間に不適切に介入する中間業者」であり「許可されていない不正なチケット販売行為を利用している」と指摘している。同社はさらにこう発言した。「Skiplagged経由で購入されたチケットで問題が生じた時、アメリカン航空が責任を問われます。その問題がSkiplaggedの不正行為が招いた不必要な複雑さの直接的結果であっても」

アメリカン航空は、Skiplaggedによる自社便チケットの販売および商標登録されたロゴと社名の使用を禁止する恒久的差し止め命令、Skiplaggedが販売したアメリカン航空フライトすべてに関する説明およびSkiplaggedのビジネスモデルによってもたらされたと同社が主張する損害の賠償を求めている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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