この抜け穴を利用するために、旅行者は最終目的地の前に1カ所以上の目的地に立ち寄る「マルチレッグ」と呼ばれるフライトのチケットを購入し、その便の最終目的地ではない乗り継ぎ地で降機し、残りの経路は利用せずに空港を立ち去る。
こうすることでしばしば料金が安くなるのは、航空会社の料金体系によるものだ。乗継ぎ便は旅行者にとっては面倒だが、航空会社にとっては自社のハブを経由させることで効率が良くなるため、乗継便を購入させたい。そのために安い料金で提供する。
Skiplaggedのウェブサイトは、利用者が安いフライトを探すためにサイト全体がデザインされており、チケットはサイトから直接予約できる。
8月17日にテキサス州連邦裁判所に提出された訴訟でアメリカン航空は、Skiplaggedには「アメリカン航空に代わって契約の申し込み、履行を行う権限がない」と主張しており、Skiplaggedが発行した「すべてのチケットは無効化される恐れがある」。なぜなら Skiplaggedは一般顧客になりすましてアメリカン航空からチケットを購入しており、それは同社の利用規約に反しているからだとしている。
アメリカン航空は、同サイトが顧客に対して「アメリカン航空で直接購入、あるいは正規代理店経由で購入した場合よりも高い料金をしばしば課している」と指摘し、アメリカン航空の広告表記価格に10ドル(約1450円)あるいは10%の手数料を上乗せしている場合があると話した。
アメリカン航空の訴訟は、Skiplaggedが商標登録された同社のロゴと社名を違法に表示することで、あたかも同社がこの行為を承認し、問題が起きた際には顧客を支援するかのような印象を誤って与えたことも非難している。
アメリカン航空、Sikpplaggedともに、フォーブスのコメント要求に対してただちには返答していない。
Skiplaggedとアメリカン航空のウェブサイトをフォーブスが確認した結果、Skiplaggedがその「隠された都市」戦略によって低価格を提供しているフライトをいくつか見つけたが、それらの低価格は特定の旅行でのみ可能だった。またSkiplaggedはそれらの低価格チケット以外に、利用者が通常の航空チケットを購入することも可能にしている。
Skiplaggedは2013年、当時22歳だったバングラデシュ出身でニューヨーク育ちのアクタラ・ザマンが設立したとCNNの記事は書いている。ザマンによると、ウェブサイトは副業として始めたが、最終的にフルタイムを費やすようになった。「隠された都市」戦略は自分のウェブサイトよりずっと前から存在したが、Skiplagged以前には、それを利用して安いチケットを見つける場所がなかったと彼は説明した。