ウクライナ空軍はすでにAGM-88対レーダーミサイルやGPS誘導滑空弾、巡航ミサイルなど、米国、英国、フランスなどで製造された兵器で所有する旧ソ連製の戦闘機や爆撃機の一部を武装させている。ウクライナ軍のパイロットは、前線上空のウクライナ側を飛行しながらミサイルなどを発射することが多くなり、その結果、射程が最も長いロシアの地対空ミサイル以外はすべて回避できるようになった。
長距離攻撃にシフトしたことで、ウクライナ空軍の損失率は大幅に減少した。2022年には少なくとも62機の固定翼機を失ったが、2023年はこれまでのところ7機だ。F16を配備すれば損失はさらに減るはずだ。
F16を61機も入手すれば、ウクライナ空軍の最前線で使われている125機ほどの冷戦時代のミコヤンMiG-29、スホーイSu-24、Su-25、Su-27の約半分を置き換えられる。ロシアが1年半前にウクライナに侵攻して以来、ウクライナ軍は70機近くのジェット機を失ったが、供与や墜落した機体の修復で損失を補ってきた。
ウクライナはいま、2022年2月時とほぼ同じ数の戦闘機を保有している。F16と訓練を受けたパイロットが到着し始めると、ウクライナ軍には2つの選択肢がある。老朽化したソ連時代の戦闘機の半分を入れ替えるか、空軍を1.5倍に増強するかだ。
(forbes.com 原文)