健康

2023.08.23 13:30

TikTokで話題、「バービー人形」のような姿を手に入れる美容整形術とは

映画『バービー』に主演したマーゴット・ロビー(Kathy Hutchins / Shutterstock.com)

TikTokでは最近「バービーボトックス」と呼ばれる美容整形術が話題を呼んでいる。多くの人が、首が長く肩がすぼまったバービー人形のような見た目を手に入れるために施術を受けているが、美容以外にも肩こりや偏頭痛の緩和といった医療面での利点もある。

TikTokでは多くのクリエイターたちが施術のビフォー・アフターを共有。そうしたユーザーの1人である「Malibutoast」は、自分の「美しく長い首」はヨガやマッサージによるものではなく、ボトックス注射によるものだと語っている。

米ミシガン州の美容整形クリニック「アナーバー形成外科」によると、この処置は正式には「僧帽筋ボトックス」や「トラップ・トックス」と呼ばれ、もともとは姿勢の改善や、肩こり・偏頭痛の緩和のために行われていた。ボトックスを僧帽筋に注射することで、筋肉の使い過ぎを引き起こす神経信号を遮断するもので、施術は数分で終わる。

欧米で成形美容クリニックを展開するシス・エステティック・クリニックは、ボトックスが筋肉を弛緩・萎縮させることで、肩が細くなり首が伸びることから、バービー人形のような見た目になると説明している。

オーストラリアのクリニック「スキン・クリニック・ロビーナ」によると、バービーボトックスは多くの美容整形術と同様、完全な効果はすぐには現れず、効果は施術後2週間ほどで現れ始め、2カ月後には完全な状態となるという。効果は通常4~6カ月続くが、代謝や毎日の生活習慣などの要因によってその長さは変わる。

米首都ワシントンにあるクリニック「ギャラリー・オブ・コスメティック・サージェリー」では、ボトックスの注入回数によって料金が異なり、20本セットが219ドル(約3万2000円)、30本セットが299ドル(約4万4000円)、それ以降は1本ごとに14ドル(約2000円)追加される。必要な回数は、その人の筋肉の大きさによって変わるが、同クリニックでは通常、片側のみで50~75本が必要となる。

僧帽筋は、首の付け根から背中の中央部分まで伸びている大きく平らな筋肉で、首や肩、腕、胴体、頭を動かすのに使われる。WebMDによると、僧帽筋の緊張は、使いすぎ、事故、激しい運動などによって引き起こされ、筋肉機能の損失、腫れ、変色、筋力低下、動作時の痛みの原因となる。

ボトックス注射によってこの緊張を和らげることができるが、間違った方法で行うと、命にかかわる恐れがある。形成外科医のアニル・シャーは医学情報サイトのMDLinxに対し、僧帽筋は重要な呼吸器系や中枢神経の近くにあり「ボトックスで死を招く可能性がある数少ない場所の1つだ」と指摘。資格のない施術者を利用しないよう注意喚起している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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