「エンタメやテクノロジー、消費財業界は、生成AI投資において最も先行している」と、サーチソリューション企業のLucidworksは直近のレポートで述べている。しかし、生成AIへの投資に積極的なのは、メディア業界だけではない。
レポートによると、AIに関する意思決定を行っている経営層の93%が生成AIへの投資を優先。つまり、世界の企業の大半が生成AIに投資している。最も積極的なのは中国で、100%の企業が生成AIに投資していると回答した。インド企業は98%、英国企業は94%、米国企業は92%、日本企業は80%だった。
この調査は、従業員数100人以上の企業でAI投資の意思決定に関与する6000人を対象に行われたもので、Lucidworksは実業界における生成AIに関する国際調査としては過去最大のものだとしている。調査結果からは、あらゆる業界が生成AI技術の構築・使用・導入を急いでいることが判明した。
これは、ハリウッドの脚本家にとって大きな懸念材料だ。OpenAIが3月に発表した「大規模言語モデル(LLM)が労働市場に与える影響」に関するレポートによると、ライター職の中にはキャリアや業務全体がAIの影響を受ける職種が複数あるという。
人々が恐れているのは、猛烈なスピードで大きな変化が生じていることだ。AIは急速に進化しており、今ではテキストプロンプトから動画を作成することが可能だ。数年後には、クオリティの問題は別として、プロンプトから映画が作成できるようになるかもしれない。作家のニーナ・シックは、2025年までにハリウッド映画の90%において、少なくとも一部をAIが生成するようになる可能性があると予測している。
メディアやエンタメ企業の投資額から考えると、その可能性は十分考えられる。レポートによると、これに匹敵する規模の投資を行っているのは、消費財やハイテク、建設、不動産業界だという。比較的遅れをとっている企業も、大規模で迅速な生成AIの導入を計画している。
Lucidworksのマイク・シノウェイ(Mike Sinoway)最高経営責任者(CEO)は、次のように述べている。「今こそ、生成AIの戦略と運用機会を理解するべきだ。現在起きている転換は急速であると同時にグローバル規模で起きており、大きなインパクトをもたらす。今回の調査によって、生成AI業界では既にリーダーと後発企業が存在することが明らかになった。迅速に適応を進める企業は、他社に先行することができる」
(forbes.com 原文)