リーダーシップ

2023.08.27 10:00

「人間らしさ」の力、ミスを見た相手は同じ経験があると許してくれる

Getty Images

記事では、ホフスタッターが何年か前に中国を訪れた際、彼が長年、中国語を学んでいることを知る現地の学生から「中国語でひと言スピーチしてほしい」と頼まれて、大変緊張したというエピソードを紹介している。そして、中国語でスピーチするためにAIの力を借りたらどうなるかと仮定しながら、考えを述べている。
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「(AIを使って考えたスピーチであれば)聴衆が目にするのは、中国語の単語を必死で思い出そうとするダグラス・ホフスタッターではない。【略】私の心もとなさ、弱さ、さらに言えば、最後まで話そうとする意地を目の当たりにすることはない。【略】本当の私、何年もの間、延々と時間を費やして中国語に取り組んだ私という人間を感じ取ることはない」

だからといって、単語をなんとか思い出そうとする姿を意図的に見せろとか、スピーチではミスをしろと言っているわけではない。たとえ失敗が起きたとしても、それを余裕をもって受け止めようと言っているのだ。

人前で話している最中に、何を言っているのかわからなくなったり、言葉に詰まったりしたとき、聴いている人は1人残らず「自分にも同じ経験がある」と考える。自分を重ね合わせることで、話し手であるあなたを許している。
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もちろん抜かりなく準備をすれば、ミスをしたりハプニングが起こったりする確率は減るだろう。ところが残念なことに、働く人は、時間とToDoリストに追われており、準備時間を十分に確保することができない。時間がないという人は、プレゼンテーションやスピーチの前に、次の5つのチェックポイントだけでも確認してほしい。

1. 目標をはっきりと定め、聞き手のニーズを分析し、状況や背景を理解したか
2. ブレインストームをして、アイデアを1つ残さず出し、それらを徹底的に検討したか
3. 主要なテーマをきちんと確認したか
4. それらのテーマを論理的な順番で並べたか
5. 自分が話す内容を3回以上、最初から最後まで声に出してリハーサルしたか

ここまでやっても、ミスをしてしまうかもしれない。その場合は、聞き手たちはあなたを許してくれるということを思い出してほしい。あなたができることは、自分も自らを許すことなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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