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2023.08.20 11:00

DAU80%減の「スレッズ」が死に向かう本当の理由

安井克至

shutterstock.com

メタのThreads(スレッズ)の立ち上げを大失敗と呼ぶにはまだ少し早いかもしれないが、ユーザーを流出させ、勢いに乗り損ねたことは明らかだ。
 
最近のレポートによると、公開から1カ月後のDAU(デイリー・アクティブ・ユーザー数)は79%減少し、今でもこの新たなツイッター・クローンを利用中の人々は1100万人程度という。
 
マーク・ザッカーバーグは、アプリの大幅なアップグレードを急いでいない模様で、これは恐らく熱心なファンを作るには時間がかかることを知っているからだと思われる。彼は、検索機能とウェブ版のアプリはすぐに登場すると言っている。
 
しかし、ここには重大な問題がある。今こそ、X(旧ツイッター)からユーザーを引きはがすチャンスなのに、メタにはそのような気迫が感じられないのだ。
 
ザッカーバーグと彼の仲間は、おそらくビデオチャットや動画共有などの、抜本的な新機能を展開するのが賢明だろう。しかし、現状のスレッズはツイッターとあまりにも似ていて、ユーザーはここでフォロワーを増やす意味を見いだせない。
 
筆者はここ最近で数回、スレッズを開いてみたが、人々の投稿の多くは他のフィードの複製か、驚くほど似た内容のものだった。そのような場所で、新たなフォロワーを見つけようとするのは時間の無駄のように感じる。しかも、彼らの多くは、もっと良いアプリを探そうとしていたり、すでにスレッズに見切りをつけていたりするのだ。
 
メタが7月5日にローンチしたスレッズは、公開から5日間で1億人を獲得したが、実のところ新鮮味もおもしろみもないこのアプリは、今では閑古鳥が鳴いている。
 
スレッズがすでに死滅しつつあるように見える本当の理由は、それが役に立たないからだ。このアプリには、このアプリならではと思えるものが何もない。イノベーティブなものは、何であれ、新しくて便利でなければならないが、スレッズはそうではない。
 
スレッズが街の新顔として人気を博したのは、ほんの一瞬のことだった。そして、その瞬間は過去のことになった。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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