さらに、ハワイ州観光局は現地の旅行団体などと連携し、マウイ島西部にあるホテルや民泊施設で今後の予約受付を一時的に停止。グリーン知事は、自宅を失った方など避難者のために、およそ1000室の部屋を確保していると述べている。移り住める時期はまだ明らかになっていないが、避難者によりプライバシーが確保された仮住まいを提供できるよう、準備が進められているようだ。
「いま旅行に行くべきか」 州知事が出した答えは?
ハワイ州観光局日本支社には、日本からも多くの支援の声が寄せられ、日本円での寄付が可能な特設サイトが設置されるなど、ハワイを支援したいという声は世界中から上がっている。ハワイの基幹産業は観光業であり、多くの観光客が訪れることで、地元の経済が回っているという事実がある。だが、マウイ島でバカンスを続けている一部の観光客に非難の声が集まったように、いまマウイ島への旅行は避けるべきなのだろうか。
まだ行方不明者の捜索と、被害を受けたインフラの復旧、そして避難者のケアと、混乱が渦巻くマウイだが、最近になってこの論争が起きつつあるようだ。
これに対してグリーン知事は8月16日、「とても難しい問題だ」と言及。今回の火災の被害を受けたマウイ島西部以外では、観光客によって生計を立てている地元ビジネスが現在も営業を続けているという。だが、大きな被害を受けた今のラハイナの町に観光客が入ることは、人々の悲しみを踏みにじることになるだろう。
そのため、グリーン知事は「マウイ島に旅行するべきかどうか、という答えは、私たちが望むほど簡単に出せるものではない」と苦渋の思いを吐露している。
そして、マウイ島への旅行について、「計画するべきか、それともキャンセルするべきか」判断する基準として、以下の5つのクエスチョンを提示した。
1. あなたが邪魔になるか?
2. 影響を受けている人々から、限られた貴重な資源を奪うことになるか?
3. 計画している旅行が、現地の人々を不快にさせる可能性はないか?
(例えば、ボートツアーでラハイナの被害を見物する、亡くなった人もいる海で泳ぐなど)
4. 旅行に、復興支援のボランティア活動が含まれているか?
あなたの支援が歓迎されるものか、それともすでに現地にある「不協和音」になるだけか?
5. 旅行がマウイ経済の復興に役立つか?
休暇中に使うようなコスト感の寄付が、復興に役立つ方法か?