ヘルスケア

2023.08.19 11:30

ブルーライトカットメガネは眼精疲労や睡眠の質を「改善しない」可能性

レビューの主著者であるローラ・ダウニーは声明で「私たちは、コンピュータの使用に関連する視覚の疲労を減らすために、ブルーライトカットフィルター付きの眼鏡レンズを使用することによる短期的な利点はないかもしれないという結果を見出しました」と述べた。「これらのレンズが視覚の品質や睡眠関連の結果にどう影響するかは現時点では不明ですし、長期的な視網膜の健康への影響についても何も結論は出ていません。こうした眼鏡を購入する際には、これらの調査結果を理解しているべきでしょう」

ブルーは可視光スペクトルの7色のうちの1つだ。継続的に晒されることで網膜が損傷し、加齢黄斑変性症(加齢によって起こる目の病気で、中心視力が鈍くなる)のような視力障害を引き起こすと考えられている。ブルーライトが危険なのは、その短くて高いエネルギーの波であるとヘルスラインは報じている。それは皮膚や目に有害な影響を与える紫外線よりも、少しばかり波長が長くてパワーが弱いだけだ。

一般に信じられていることとは逆に、ブルーライトの最大の発生源は太陽であり、携帯電話やコンピュータのようなLED機器ではない。蛍光灯や白熱電球もブルーライトを発する。ブルーライトカットメガネは、ブルーライトを遮断し、フィルタリングすることで、有害な影響を軽減する。眼科医のニコール・バジックは、非営利医療センターであるクリーブランド・クリニックに、ブルーライトカットメガネをかけることは有害ではないが、光過敏症の患者は、代わりにFL-41の色合いを検討すべきだと語ったFL-41はブルーとグリーンの光をカットし、どんなレンズにも適用できる。

米国国立眼科研究所による研究によれば、子どもたちは電子デバイスからのブルーライトをより多く吸収するため、ブルーライトが及ぼすリスクに対してより敏感だ。この研究では、8歳未満の米国の子どもたちは1日に平均2時間以上、8歳から10歳の子どもたちは6時間、11歳から14歳の子どもたちは9時間、デジタルデバイスを使用していると報告されている。機器から発せられるブルーライトは網膜にストレスを与え、眼精疲労、頭痛、姿勢の問題、疲労による不快感をともなうコンピュータビジョン症候群を引き起こす。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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