2023.08.20 12:00

ひと味違うイギリスのモーターショーでホンダの新EVがデビュー

人に注目したモーターショー

このショーのもう1つの目玉は、モーターリング・ホール・オブ・フェーム(自動車殿堂)に殿堂入りを果たす人たちの発表会だ。今回は4人の自動車業界を動かしてきた人たちの殿堂入りセレモニーがあった。日本でも良く知られている元日産の専務で元アストン・マーティン社長を務めたアンディ・パーマーが殿堂入りを果たし、女性として初のプジョーやシトロエンの社長を務めてきているリンダ・ジャクソンと、現在、ジャガー・ランドローバーの初女性のトップデザイナーを務めているヴィーラ・パークもその1人。興味のある方はこのリンクをご参照ください。

元日産の専務でアストン・マーティン社長を務めたアンディ・パーマー

元日産の専務でアストン・マーティン社長を務めたアンディ・パーマー。「EVだけがソルーションではないはずだ」と受賞スピーチで語った。

実は2010年にできた「自動車殿堂」には、6人の日本人も殿堂入りを果たしている。その6人は当然、日本の自動車界を代表するような人たちばかり。ざーとリストアップすると、元トヨタ会長で世界初ハイブリッドのプリウスの生みの親として知られている内山田竹志、スズキの鈴木修会長、元日産の専務で数々の影響的なデザインを手掛けてきた中村史郎、マツダのデザインを変えた前田育男、世界一のドライビング・ゲーム「グランツーリスモ」の生みの親の山内一典、元日産のトップガンで黄綬褒章受賞の加藤博義の各氏も仲間入りしている。

ちなみに、どれだけすごい人が殿堂入りを果たしているかというと、元F1ドライバーのスターリング・モス、イーロン・マスク、ゼネラル・モーターズのメアリー・バーラ社長、自動車のコレクターでピンク・フロイドのドラマーのニック・メイソン、インドの巨大なタタ・グループのラジャン・タタ元社長、イタリアのデザイン巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ、F1マシンのデザイナーのゴードン・マレーなども入っている。

やはり、自動車ショーが段々と下火になる世界では、モーターショーは、このように「人」をエンターテインするようなショーにかわる必要があるのではないか。

今回、いくつかの会場でのスピーチやトークショーで「教育」という言葉が聞かれたが、子供やティーンエイジャーに対して、クルマに興味を持ってもらおう、自動車産業に関わる知識を持ってもらおうという意欲が感じられた。特に、日本のケーブルTVで人気番組になっているナショジオ「カーSOS」のホストのティムとファズが子供やティーンエイジャーを相手にトークショーやクイズをしていた。

イギリスでは、自動車業界で人材が不足しているという。もしかしたら、今は存在しない仕事も近い将来に生まれるかも知れず、可能性のある人材が求められている。

国境を超えて才能を発揮できる時代と環境になったことがも感じられるショーだった。

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