Z世代による魚の缶詰コンテスト 地域社会の問題解決へ

2022年授賞式の様子(プレスリリースより)


島根県立浜田高等学校「生活科学部」(島根県)

「ガンガゼ餃子&ガンガゼーヌ」を提案。あまり食用とされないガンガゼウニと、タレストリスという寄生虫の被害を受けたワカメを同時に活用する。暖かい海で急増し厄介者とされているガンガゼウニは意外においしいそうだ。また、タレストリスが寄生したワカメは見た目が悪いだけで食用にはなんら問題がない。
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日本航空学園日本航空高等学校石川「ムールGUYS」(石川県)
繁殖力が強く養殖牡蠣や発電所の取水口に付着してしまうムラサキイガイの旨味を閉じ込めた「イガイ飯・アクアパッツァ」を提案。有害物質を溜め込みやすく食用としては敬遠されてきたムラサキイガイだが、しっかりと解読検査をしたうえで利用するという。ムール貝も、じつはムラサキイガイの仲間だ。

栃木県立馬頭高等学校「チョロンチーノの挑戦」(栃木県)
栃木県で30年前からキャビアのために養殖されているチョウザメの肉を使った「皇帝の愛したパスタソース」を提案。キャビアと違ってのチョウザメの肉は商品化されていないため、そのおいしさを知ってもらいたいということだ。

羽黒学園羽黒高等学校「庄内サカナちゃん」(山形県)
山形県庄内浜で安定的に水揚げされるものの下処理の難しさからほとんど流通しない未利用魚コノシロを活用した「コノシロの乱 ラーメンの援軍」を提案。缶詰にすることでコノシロの下処理の問題を解決できるとのことだ。これを山形ラーメンとコラボさせるという。

最終審査は、10月8日、各チームが開発した缶詰をオンラインで紹介し、プレゼンテーションを行う。審査は「海や地域が抱える問題や課題を明確にできているか」、「缶詰を開発することが、その問題や課題の解決に結びつきそうか」、「商品性はどうか」、「質疑応答を含めた発表はどうか」といった指標の総合評価となる。昨年、最優秀賞に選ばれた「境港天然本マグロのほーるもん煮込み」は、鳥取県の境港に水揚げされる本マグロの、これまで廃棄されていた内臓をおいしく調理したもので、現在はシーライフから販売されている。今回もこれらのユニークな缶詰が商品化されることを期待したい。
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プレスリリース

文 = 金井哲夫

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