欧州

2023.08.17 10:30

ウクライナ空挺軍、予備の最強部隊を南部の主要戦線に投入

ロボティネ周辺の空中機動軍部隊についても同じことが言える。今週撮影されたとみられる映像によると、第82空中強襲旅団のストライカー装甲車1両がすでにロシア軍のドローン(無人機)攻撃を受けた。同旅団はロシア軍第1430自動車化狙撃連隊がロボティネに設けた陣地から1.6km内に入っているようだ。


ロシア軍のドローンは第82空中強襲旅団が90両保有するストライカー装甲車のうち少なくとも1両のほか、40両あるマルダー歩兵戦闘車のひとつも見つけている。ロシア軍はどうやら14両のチャレンジャー2戦車はまだ発見できていないらしい。だが、これらのチャレンジャー2が接触線に向けてじわじわ進んでいることは知られている。

ウクライナ軍のチャレンジャー2の姿を収めた最も新しい写真では、戦車の砲塔の上にケージが取り付けられている。明らかにドローン攻撃から車両を防御することを期待したものだ。「コープケージ」と呼ばれる戦場でのこうした応急の備品は、戦闘を控えた旅団が自ら設置することが多い。

ウロジャイネでの海兵隊の経験に照らせば、ウクライナ軍はロボティネ周辺で空中強襲部隊を増派することで迅速な前進を達成できる可能性がある。ウクライナ軍はロボティネのロシア軍守備隊に対してすでに探りを入れていて、側面からの攻撃を試みている。新たに2個旅団、しかも重装備の旅団が戦力に加わることで、攻撃は強化されるに違いない。

半面、ウクライナ側の大規模だが一時的かもしれない戦力増強による攻勢にロボティネのロシア軍守備隊が持ちこたえ、増派されたウクライナ軍の旅団が代わりのいないまま前線から退くことになれば、ロシア側に反撃のチャンスが生まれるかもしれない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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