海外

2023.08.28 13:30

100%自然由来ながら高機能、世界の先鋭企業も注目するNFWの新素材

新しい素材の開発、生産体制の強化を同時に進める

現在NFWが次の目標として取り組んでいることをハーヴェラル氏に聞いた。

1つは「新しい素材」の開発だ。NFWの4つの基幹素材は現在、アパレルにアクセサリー、自動車の内装、室内装飾品などのコンシューマ向けの商品に広がっている。ハーヴェラル氏によると今後、自動車の商品パッケージ、デニム、自動車のタイヤなどに応用・展開することも難しくはないという。

「NFWはこれからも天然資源を原料とする素材をむやみに大量消費するのではなく、必要なぶんだけを効率よく使いながら『価値あるプロダクト』に組み替えるビジネスの形を追求します。バッグや自動車のシートカバーなど、外観が美しいだけでなく耐久性があり、長持ちする商品のための素材は新たな商品価値を創造しました。今後もさまざまなカテゴリーに向けて、工夫を重ねながら独自の素材を提供したいと思います」

世界中の製造現場と連携を図り、既存のサプライチェーンを活用しながら独自素材の生産・流通体制も強化する。NFWの独自素材を作るために欠かせない材料は「秘伝のタレ」として本社を構えるイリノイ州ピオリアの工場でつくり、以降の工程についてはNFWのミッションステートメントの1つである「Stay clean.(環境に配慮したグリーンな精算システム)」の約束をともに守れる製造委託パートナーと組んで、クララスやミラムなどNFWの商品を安定供給する。

NFWが本社を構えるイリノイ州ピオリアの工場で、MIRUMなど4の独自素材の製造に欠かせない基幹材料がつくられているNFWが本社を構えるイリノイ州ピオリアの工場で、MIRUMなど4の独自素材の製造に欠かせない基幹材料がつくられている

加えて現在、NFWでは製造パートナーから出資を受けて、NFWの基幹素材を使った「完成品」をつくりあげるところまで一手に引き受けられる「NFWギガファクトリー」を立ち上げる計画もアジアの某所で進められているという。

ハーヴェラル氏は計画したとおり、順調に製造体制とサプライチェーンの強化を図ることができれば、引いては素材のプライスポイントにも好循環が生まれるかもしれないと語っている。

NFWが取り組む独自素材によるグリーントランスフォーメーションに対して、関心を寄せる日本の企業も少なくない。最後に今後の日本市場への本格進出に向けた意気込みをハーヴェラル氏に聞いた。

「私はこれまでに何度か東京など日本の大都市を訪問して、街の中にゴミ箱がなくても美観が保たれていることに驚かされました。日本の暮らしには社会的責任を意識しながら、街をきれいにするという習慣が根づいています。日本の人々および社会にはNFWの素材が浸透する豊かな可能性があります。日本のPinnacleな企業とのコラボレーションに向けた取り組みもすでに始まっています。これからますます関係を深めながら、日本の皆様に価値ある商品や体験を届けられることを私も楽しみにしています」

連載:SCRUM FOR THE FUTURE
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