2023.08.18 12:30

免許返納後の「運転経歴証明書」 何がメリット? 誰が取っている?

「運転経歴証明書」でできることとは

「運転経歴証明書」でできることとは

高齢者の免許返納について、とくに最近話題に上ることは多い。

ここのところ、75歳以上及および80歳以上の免許保有者数はともに増加を続けている。令和元年は平成21年と比較して、75歳以上は約1.8倍、80歳以上は約1.9倍の増加となった(参考元:内閣府 令和元年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況)。

そして、話題になるのが、高齢ドライバーによる事故。事故を起こさないためにも、各地域警察署が「免許返納」を呼びかけている。

このような状況下、警察庁は昨年5月13日から、75歳以上の一部の高齢ドライバーの免許更新時に「実車試験」を行っている。「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描写」の3項目について30分ほどで検査される。これに合格しないと、免許は更新できない。

タレントの西川きよし氏に「運転経歴証明書」を交付

そしてその昨年5月、大阪府警箕面署が、運転免許を自主返納したタレントの西川きよし氏に「運転経歴証明書」を交付したことが話題になった。

「運転経歴証明書」とは、「運転免許の申請取消し(全部)を行った日又は運転免許の有効が切れた日から、過去5年間の運転経歴を証明するもの」(※引用元:神奈川県警HP)だ。

自動車などを運転することはできないが、公的な身分証明書として利用できるほか、提示することで、料金の割引などの支援措置を受けられる。

高齢の親に免許返納を納得させることはなかなか難しい。ただ「免許証がなくなる」のではなく、「代わりに別の証明書をもらうことができる」ことは多少の説得材料になるかもしれない。

経歴証明書はどうやって申請するのか?

この手続きは、現在持っている運転免許証が有効で、原則として本人が申請することが条件だ。免許証の有効期間が切れてから5年を経過した場合、あるいは行政処分の対象となっている場合は申請できない。

以下が申請可能な期間などの基本情報だが、地方自治体によって手続きや必要書類が異なるため、必ず自分の住んでいる地域の申請方法を確認していただきたい。

交付申請可能期間

運転免許の取り消しを行った日から5年以内。

申請場所

自主返納・運転経歴証明書の交付申請を同時に行う場合:各都道府県の運転免許試験場、運転免許更新センター、警察署で申請可能。

自主返納をすでに完了、新たに運転経歴証明書のみ交付申請する場合:免許証を自主返納した都道府県の管轄する運転免許試験場に申請する必要がある。

たとえば、千葉県で自主返納した場合、運転経歴証明書の交付は千葉県の運転免許試験場でのみ申請できる。

必要書類

運転経歴証明書交付申請書(窓口で取得できる)

返納する運転免許証

申請用写真1枚(縦3.0センチメートル×横2.4センチメートル。申請前6カ月以内に撮影にした無帽、正面、上三分身、無背景のもの)

手数料 

1100円(各都道府県によって多少異なる場合がある)

※代理人による申請の場合は、委任状(代理人の住所・氏名・生年月日が確認できるもの)が必要になる。

例:運転免許証、マイナンバー(個人番号)が記載されていない住民票、マイナンバーカード(個人番号カード)、健康保険証、在留カード、旅券など
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文=佐藤 小春 編集=石井節子

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