2023.08.16 12:00

オーバーツーリズムに悩む欧州、各都市の観光客「抑制」策とは

・スペイン

バレアレス諸島でイビザ島に次いで観光客が多く訪れるマヨルカ島は「最悪の事態に陥っている」という。英字日刊紙「マヨルカ・デイリー・ブルテン」によると、地元住民は「ほぼ裸」で街なかや小売店のなかを歩き回る観光客たちに激怒しているとのこと。

また、ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラは、オーバーツーリズム対策として観光税を導入する計画だ。ただ、すでに観光客に税金を課しているバルセロナでは「観光客は帰れ」との落書きでオーバーツーリズムに抵抗する活動が続いている。

・ポルトガル

観光客に人気のビーチの多くで、大音量で音楽をかけることが禁じられている。違反すれば、200~3万6000ユーロ(約3万2000~570万円)の罰金が科される。

ピークシーズンにビーチを訪れる人は、例えばアルガルヴェ海岸だけでも英国人を中心に100万人を超えており、なかには個人で4000ユーロ、グループで3万6000ユーロという高額の罰金を徴収された人たちもいるという。

そのほかポルトガルのビーチでは、指定された場所以外で許可を取らずにボールを使って遊ぶことや、専用の施設以外でのキャンプ、海水浴場での釣りなどが禁止されている。

・クロアチア

「Respect the City(都市への配慮を)」と銘打ったキャンペーンを開始しているドブロブニクでは11月から、キャスター付きのスーツケースなどを引いて石畳の道を歩くことができなくなる。

騒音を最小限に抑えるための措置で、歴史地区の入り口で荷物を預け、宿泊先に送ることが義務付けられる。日帰りの観光客用には、複数の地点にロッカーが設置される予定だ。

そのほか同市では、公共の場で眠ることや排尿すること、記念碑に登ったり、学校など公共の施設の周辺で飲酒したりすることなどを禁じており、違反した旅行客からは、その場で高額の罰金を徴収している。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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