欧州

2023.08.16 10:30

ロシア兵がウロジャイネから敗走、そこにクラスター弾が襲いかかる

155ミリ榴弾砲。ポーランドで(Mike Mareen/Shutterstock)

つまり米国製DPICMは装甲車両にとっても危険なものであり、無防備な歩兵にとっては致死的なものになる。ウロジャイネやそこからの脱出路で何人のロシア兵が死亡したかは不明だ。数十人かもしれないし、数百人にのぼるかもしれない。いずれにせよ、ウロジャイネに現在、生存しているロシア兵がいるとすれば、それはウクライナ側の捕虜になった者だけである可能性が高い。
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これには異論もある。ウクライナ側、ロシア側どちらのウォッチャーの中にもウクライナ軍がウロジャイネを解放したとみる向きがある一方、米首都ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(ISW)は13日の戦況分析でこう注意を促している。「ISWはロシア軍がウロジャイネから完全に撤退したという確証を得ていない。ロシア軍は現在、少なくともこの集落の南部に陣地を保持している可能性が高い」

とはいえ、ウロジャイネ南部の陣地になお少数のロシア兵が残っていようがいまいが、この集落をめぐる戦いが近々どういう結果になるかについては争いの余地がない。ロシア側ではすでに責任の所在探しが始まっている。「ロシアの情報スペースではウロジャイネでのウクライナの前進を機に、この区域でのロシア側の士気の低さや指揮上の課題が強調されている」とISWは指摘している。

ロシアのある軍事ブロガーは、歩兵を支援する戦車を送らなかったとして第37自動車化狙撃旅団をやり玉に挙げ、旅団の部隊は酔っ払っていたとも主張している。別の軍事ブロガーは、ウクライナ南部に展開しているロシア軍の旅団や連隊の多くを統括する第58諸兵科連合軍の司令官を解任したのはロシア政府の失策だったと難じている。
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ウロジャイネやその周辺で死亡したロシア兵にとっては誰に責任があろうがもはや関係ない。第58諸兵科連合軍や第37自動車化狙撃旅団、ロシア政府にはほどなくして、防御陣地を保持できると証明する新たな機会が与えられるだろう。ウクライナ軍がウロジャイネを解放すれば(まだ解放していないとしての話だが)、次に狙うのは必然的にサビトネ・バジャンニャとスタロムリニウカになる。マリウポリへの途上にあるロシア軍の次の拠点だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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