受賞者の選出にあたっては、各カテゴリーで活躍する専門家・業界オーソリティ・過去受賞者をアドバイザリーボードとして迎え、協力を仰いだ。放送作家として、テレビ・YouTube・ラジオ・デジタルコンテンツ・雑誌・広告などジャンルを問わず活躍する白武ときおも、アドバイザリーボートのひとりだ。
白武は、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」「笑ってはいけないシリーズ」(日本テレビ)など多くのバラエティ番組に作家としてかかわりながら、YouTube番組でも黎明期からその才能を発揮。お笑い芸人・霜降り明星の「しもふりチューブ」、千原ジュニア、小籔千豊、フットボールアワーが出演する「ざっくりYouTube」など人気チャンネルを担当する“YouTube放送作家”としても知られる。
YouTubeを始めとする新たなネット映像コンテンツが台頭し、テレビ一強時代は終焉。エンタメ業界は転換期を迎えている現代。テレビ、ラジオ、広告、雑誌、ネット、ライブ、映画など様々な媒体を“越境”しながら活動している白武は、どのように夢を掴み自身の存在を確立させていったのだろうか。
原点は “ヤンキーの裏方”?
幼少期を過ごしたのは京都。関西というのもあり、小学校のクラスは「運動ができるよりも面白いヤツが強い」という雰囲気。クラス文集の「面白い人」ランキングの上位がクラスの中心人物で、僕も前に出てはしゃぐ少年でした。小学5年生のときに千葉に引っ越したのですが、そこでも「面白いヤツ」だと思われたくて、同級生とトリオを組んで帰りの会で漫才を披露。無事に面白いと思ってもらえたことで、学校生活がうまくいきました。
それが、中学に上がると“裏方”の楽しさを覚えます。きっかけは、ちょっと不良の友達とつるむようになったこと。自分が前に出るのではなく、彼らに悪知恵を吹き込んでイタズラをやらせたり、みんなが楽しめる遊びを考えたりするようになりました。怒られないように、自分の手は汚さないスタイルですね。
例えば、全校集会のときにマイクを1本こっそり抜いておき、隠れた場所でオンにして変なことを言い「何の音?」とザワザワさせるイタズラや、公園で手に持ったロケット花火を撃ち合って、“服が燃えたほうが負け”というゲーム。今の時代に子供だったら、SNSで炎上していると思います。
そのうち、「僕がやるよりも、この人がやった方が面白いな」と思うことが増えました。他人に吹き込んでいくことに興味を持ち始めたんですね。それが、放送作家という仕事の原点かもしれません。