「ジャンルレス『オトナの怪談』」とは……夏本番、各所でホラー映画などの特集が組まれているが、オーシャンズでは少し角度を変えたラインアップを紹介。
これまで1万本以上の映画を観てきた映画パーソナリティのコトブキツカサさんに、映画通なら知っている「本当は怖い映画」を6作教えてもらった。
語り手は……
コトブキツカサさん
コトブキツカサ●1973年静岡県生まれ。映画パーソナリティ、ラジオMC、文筆、俳優として活躍。映画アパレルブランド「ETM」を運営。
666を不吉な数字として広めたホラーの傑作『オーメン』
こんにちは! 映画パーソナリティのコトブキツカサです。本当は怖い映画というテーマで厳選した6作品を紹介したいと思います。
まず、外せないのはオカルト・ホラーの名作『オーメン』(1976年)でしょう。オーメンとは“不吉な前兆”という意味ですが、撮影前後に不吉なことが立て続けに起きた話は有名です。
『オーメン』ブルーレイ発売中。デジタル配信中(購入/レンタル)。(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. 発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
主役は『ローマの休日』で有名なグレゴリー・ペックが演じましたが、彼の息子がクランクインの直前に拳銃自殺で亡くなっています。ペック自身が乗っていた飛行機が落雷にあったり、彼が乗る予定にしていた飛行機が墜落して搭乗者が死亡するという事故も起きています。
ほかにも特殊効果の担当者が交通事故に遭い、巻き込まれたアシスタントの首が切断されて亡くなる大惨事もありました。劇中、首が飛ぶ特殊効果をやっていたため「現実とリンクしている」と話題になりましたね。ちなみに、事故現場近くの道路標識に「66.6km」と書かれていたらしいです。
こういったことから、呪われた映画として有名になって、666という数字が一気に不吉な数字として知られるようになりました。
ブルース・リーの息子が撮影中に事故死した『クロウ/飛翔伝説』
ブルース・リーの息子、ブランドン・リーが主人公を務めた『クロウ/飛翔伝説』(1994年)は大人気のアメコミを映画化したものですが、ホラーではなくダークファンタジーですね。
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悪人たちに殺されたロックシンガーが、カラスによって蘇り、復讐するというストーリーなのですが、主人公を演じたブランドンが撮影中に銃で打たれて本当に死んでしまうんです。
もちろん、手違いで残留していた玉が発射されたことが原因ですが、父親のブルース・リー自身も謎の死を遂げていて、息子も呪われていたんじゃないかと言われてます。
もうひとつ、香港映画の『the EYE【アイ】』(2002年)は心霊現象が映っていると言われる作品です。登場人物が乗る電車がトンネルに入るシーンがあるんですけど、窓に人影のようなものが映るんですよ。
僕はそういうのをすぐ信じる立場じゃないんですけど、結構はっきりと映ってましたね。撮影現場となったトンネルを掘っていた作業員の方が、実際に亡くなった事実があるんです。映っていたのは犠牲になった人の顔なんじゃないかって言われてますね。