動画はX(旧ツイッター)のユーザー「@BWE_dev」が最初に投稿したもので、中身のないケースのみを映したものとみられる。中央部分に特徴的な線が入っているが、基本的なデザインはPS5と同じだ。ただ、多くの人がコメントしているように、もしこれが本当に「PS5 Slim」であれば、スリムと呼べるほど薄くはないように見える。
CFI-2016 PS5 Case pic.twitter.com/udFyQbVpz8
— BwE (@BwE_Dev) August 11, 2023
ヘンダーソンによると、新型モデル開発の目的は薄型化ではなく、製造・配送コストの削減だ。現在のディスクドライブ搭載モデルとデジタル・エディションの2モデルを置き換えるものかはわからないが、機能的にはそれも可能なように思われる。
ケース中央の線は、ドライブの取り外しを容易にする仕組みの一部とみられる。ゲーム業界ではデジタル化が進んでおり、デジタル版ソフトの販売比率が年々高まっていることを考えると、この方向性は理にかなっている。現世代ではまだディスク版とデジタル版が共存しているが、次世代ゲーム機でもディスクドライブが生き残ったとしたら、少し驚きだ。
PS5関連のそのほかのハードウエアとしては、携帯ゲーム機の「Project Q」が発表されている。これは、PS5のコントローラーの中心部分にスクリーンを挟み込んだような端末で、PS5にインストールしたゲームを遠隔でプレイできるものになる。
前世代の「PS4 Pro」と同様に、PS5の性能を強化した「PS5 Pro」も開発が進んでいるようだが、発売はまだ先とみられ、今回の動画に映っているモデルとは違う。「PS5 Pro」のスペックは判明しておらず、発売時期は2024年後半ともうわさされている。ただ「PS5 Pro」に関する公式発表は一切ない。
一方、マイクロソフトの「Xbox」では、性能強化版モデルは開発されていないようだ。同社はその代わり、サブスクリプションサービスの「Game Pass」とクラウドゲームに特化した小型かつ安価なストリーム端末に注力しているとうわさされている。これも公式発表はないが、マイクロソフトのゲーム部門を率いるフィル・スペンサーが最近公開したビデオの背景には、ストリーム端末の古い試作機とみられるものが映り込んでいた。
PS5は現在、奇妙な状況に置かれている。約2年間にわたり続いた供給不足がようやく解消され、今では飛ぶように売れている。ソニーの現在の目標はおそらく、ディスクドライブ脱着式の新型モデルによってコストを抑え、高い利ざやで多く売ることにあるのだろう。
そうだとすると、1つの疑問が浮かぶ。ディスクドライブをなくすことは、消費者にとって何かメリットがあるのだろうか? 何か見逃している点がないかぎり、筆者にはメリットが思い浮かばない。
(forbes.com 原文)