国際刑事裁判所の検察官を務めたアルゼンチンの法律家ルイス・モレノ・オカンポは8日、ラチン回廊の封鎖を巡り「2023年にナゴルノカラバフに住むアルメニア人に対してジェノサイド(集団殺害)が行われていると信じるに足る合理的な根拠がある」とする意見書を発表。同回廊の封鎖によって、食料や医薬品をはじめとする必需品の物流が妨げられていることは、国連の集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(ジェノサイド条約)第2条c項で「集団に物理的破壊をもたらすように計算された生活条件を故意に与えること」と定められている「ジェノサイド」とみなされるべきだと指摘した。
オカンポは「遺体焼却炉もなければ、凶器を使った攻撃もない。だが、飢餓は目に見えない大量虐殺兵器だ。ただちに劇的な変化を起こさなければ、ここにいるアルメニア人の集団は数週間で破滅するだろう」と訴えた。さらに、ジェノサイド条約第1条にあるように、ジェノサイドを防止する義務に従って行動するよう各国に呼び掛けた。
国際社会は、ナゴルノカラバフの悲惨な状況に関する報告を真剣に受け止め、行動を起こさなければならない。ナゴルノカラバフが飢餓状態に陥っている以上、国際社会はこれ以上、目をそらし続けるわけにはいかないだろう。ナゴルノカラバフの住民は、一刻も早い緊急支援を必要としているのだ。
(forbes.com 原文)