ヘルスケア

2023.08.13 09:30

米国で主流に 新たなコロナ変異株「EG.5」についてわかっていること

遠藤宗生
米コロンビア大学のデビッド・ホー教授はEG.5について、新しい変異型ではあるものの、症状は以前の変異型と異なるわけではなく、重くなるわけでもないとCNNに語っている。ただ、以前の変異型と比べると免疫を回避しやすく、そのため世界中で広がっていると解説している。

症状としては、発熱、倦怠感、筋肉痛、胸の痛み、鼻づまり、せき、頭痛、吐き気、下痢、嘔吐、のどの痛み、味覚障害、嗅覚障害などが起こりうる。

カナダのゲルフ大学のT・ライアン・グレゴリー教授(生物学)は、現在のブースター接種用ワクチンはEG.5やEG.5.1向けに特別に開発されたものではないが、これらを含む「XBB系統に広く効果を発揮することを期待したい」とX(旧ツイッター)に投稿している。

米国では今夏、新型コロナウイルスの感染者が急増している。5月に公衆衛生上の緊急事態宣言が解除されて以降、モニタリングは難しくなっているものの、一部の追跡調査は継続されている。CDCのリポートによると、7月29日までの1週間の新規入院患者は前週比12.5%増の9000人あまりとなった。ニューヨーク州保健局が2日に発表した最新データによれば、同州では感染者が1週間で55%増え、入院患者も22%増えている。

感染が拡大しているのはニューヨーク州だけではない。フロリダ州保健局によると、8月3日までの1週間の新規感染者は1万5000人超と前週から21%急増した。薬局大手のウォルグリーンズによると、カリフォルニア州内各地の店舗で実施された検査では、全体の48.3%が陽性だった。この比率は1月以降で最も高く、6月の27%から跳ね上がっている。

ただ、ニューヨーク市のアシュウィン・バーサン保健・精神衛生局長は同市での感染再拡大について「良いニュースは、新型コロナウイルスの感染力や致死率が高くなっていると示唆するようなものはみられないということだ」と指摘。今起きているのは免疫が落ちてきているということだろうと説明し、現在の状況は「コロナとともに生活することの一部。こうした変動は想定内だ」と述べている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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