代替案を探す
セキュリティ企業Rank Secure(ランク・セキュア)のバルフ・ルビンスキー最高経営責任者(CEO)は電子メールで「間違いなくやってくることを避けようとするのではなく、そのなかでうまくやっていく方法を考えよう。マスクは、AIが避けられないものであることを知っていたので、AIから撤退するより、市場に出回っているものに代わるものを提供した方がいいと決めたのだ」と述べている。自分の価値観について妥協しない
ルビンスキーはこう述べる。「競争するために、自分の価値観を捨ててはいけない。マスクには基本的な価値観があり、それがOpenAIを離れる一因となった。彼はその価値観を、自身のAI企業に取り入れている。つまり、ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しいとされる言動)よりも、透明性と真実を優先させようとしている」論争を乗り越える
AIを専門とするソフトウェアエンジニアのパトリック・デレイニーは「マスクが2023年3月に、有名な『AI Pause Letter』でAI研究の一時停止を呼びかけ、その後xAIを立ち上げたことは、論争や複雑さを乗り越える彼の能力を反映している」と指摘。「これは、その分野への影響について懸念を表明しながらも、イノベーションを推進し続けるリーダーの責任を示している」と述べた。物語に影響を与える
デレイニーは「マスクの新しいベンチャーであるxAIは、特に『TruthGPT』に焦点を当てており、AIや、彼らが誤情報と呼ぶものをめぐる物語の伝え方に影響を与えようとするマスクのコミットメントを強調している」と説明。「このことは、リーダーがいかにして業界の重要問題をめぐる会話をコントロールし、形成できるかを浮き彫りにしている」と述べている。同盟関係を築き上げる
デレイニーはさらに、「マスクがxAIプロジェクトにさまざまなハイテク大手の業界リーダーを巻き込んだことは、連合体構築の重要性を示している。これは、リーダーがいかに強力な同盟関係を築き上げ、多様な専門知識を結集させて複雑な問題に取り組めるかを証明している」と述べた。粘り強さ
カーネギーメロン大学のライトマンは、「ビジネスリーダーは、イーロンから粘り強さと信念を学ぶことができると思う」と話した。「彼のアプローチや行動には驚く点も多いが、現状に挑戦し、逆境に立ち向かうその能力は賞賛に値する。また、市場のパターンやニーズを予測し、チャンスをうまく捕まえる能力もある」。マスクの別のスタートアップで、脳に埋め込むブレイン・マシン・インタフェースを開発するNeuralink(ニューラリンク)は、そのよい例だろう。
(forbes.com 原文)