マウイ島の山火事で歴史地区ラハイナがほぼ全焼 6人死亡・数千人避難

米ハワイ州のマウイ島で発生した山火事で焼けたラハイナ地区。マクサー・テクノロジーズの衛星画像より。Satellite image (c) 2023 Maxar Tech

米ハワイ州で2番目に大きな島であるマウイ島で山火事が発生し、ハワイ王国の首都だった歴史的な町ラハイナがほぼ全焼するなど被害が広がっている。これまでに少なくとも6人が死亡したほか、数千人が避難を余儀なくされている。

現地時間9日夜(日本時間10日夕)時点も火災は続いている。

マウイ郡のリチャード・ビッセン・ジュニア郡長は同日、この山火事で6人が死亡したと確認したほか、少なくとも12人が救助されたと明らかにした。ハリケーン「ドーラ」による風の影響で消火活動に支障が出ている。

米沿岸警備隊は、火の手から逃れるため海に飛び込んだ14人を救助したと発表した。うち2人は子どもだった。

ハワイ州選出のブライアン・シャッツ上院議員(民主党)は「ラハイナタウンはほぼ完全に焼失してしまった」とX(旧ツイッター)に投稿した。米マクサー・テクノロジーズの衛星画像でも被害の広がりが確認できる。

ラハイナでは、複数の歴史的建造物を含む少なくとも271の建造物が損傷を受けたり破壊されたりした。

現在、マウイの消防隊員100以上がラハイナ周辺で「スポットファイア(飛び火)」の鎮火に当たっている。マウイ郡はオアフ島にある州都ホノルルに20人の応援を要請している。

ハワイ州当局は、マウイ島を訪れている観光客はすみやかに島を離れるよう呼びかけている

マウイ島各地に緊急用シェルターが設けられ、これまでに2100人ほどが避難している。

ジョー・バイデン米大統領は声明を発表し、犠牲者の遺族に心からの哀悼の意を表明した。現地では沿岸警備隊や海軍が救助活動を、陸軍のヘリコプター消火活動をそれぞれ支援しているとも説明した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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