生成AIがもたらす進化
1月にDeepLの1億ドルの調達ラウンドを率いたIVPのパートナーのカーティク・ラマクリシュナンにいわせれば、それは真実だった。世界の翻訳サービスの市場規模は279億ドルとされるが、まだ十分に開拓されていない。「翻訳の大部分はいまだに手作業で、時代遅れのレガシーなワークフローです。人々は、翻訳されたコンテンツを納品するのに数日から数週間かかる、外注の言語サービスに頼っているのです」10億ドルの評価額を持つDeepLは、今後のこの市場を切り開いていくために適切なポジションに立っている。しかし、この分野には複数の競合が存在する。グーグルの翻訳ツールはDeepLほど正確ではないかもしれないが、130の言語をサポートし、AIに何十年も投資してきた巨大企業に支えられている。
マイクロソフトの翻訳ツールは100以上の言語と方言に対応し、フォルクスワーゲンのような大手企業を顧客としている。さらにChatGPTは現在、50カ国語の翻訳に対応しており、現時点では「幻覚(ハルミネーション)」と呼ばれる誤訳が発生する懸念があるが、親会社のOpenAIの努力のおかげで改善されるはずだ。
DeepLは、まだ独自のLLMを持っていないがクテロフスキーは、社内で独自のLLMを構築し、現在のまだ小規模な翻訳モデルと組み合わせることで、より良い結果を出す計画だと語った。そのために、DeepLはスウェーデンにあるエヌビディアのAIに特化したデータセンターを利用して、AIモデルをトレーニングするためのリソースを構築している。
「生成AIは巨大なチャンスです」と彼はいう。「我々は、今よりもさらにインタラクティブになり、ユーザーと対話を行う翻訳ツールの上に新たな機能を追加していくのです」とクテロフスキーは語った。
(forbes.com 原文)