食やファッション、カルチャーが多くの人を呼び込む
森ビルでは麻布台ヒルズの年間来訪者数を3000万人と想定しており、街の外部から多くの人々を継続的に呼び込むための施設も数多く揃えた。そのひとつが、ラグジュアリーホテルリゾートを展開するアマンの姉妹ブランド「Janu(ジャヌ)」の世界初となるホテル「ジャヌ東京」(2023年冬に開業)。緑豊かな中央広場に面した絶好のロケーションに位置し、インテリアデザインはジャン=ミッシェル・ギャシー率いるデニストン設計事務所が担当。トリートメントルームやフィットネスジム、プール、スパハウスなどが揃う、都内ホテル最大級となるウェルネス施設も備えている。
東京・お台場から移転オープンするのが、森ビルとチームラボが共同で手がけた「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(2024年1月に開館予定)。お台場時代に開館から1年で世界160 以上の国と地域から約230万人の動員を達成した実績があり、今回の移転オープンでは新たな作品や日本未発表作品も多数加わるという。
商業施設には、飲食店やラグジュアリーブランド含むアパレルショップなど約150店舗が出店。中央広場の地下には、敷地面積が約1200坪という大規模なフードマーケット「麻布台ヒルズ マーケット」(2024年1月に開業予定)が設置され、鮮魚や精肉、青果、惣菜、スイーツなどのジャンルで日本を代表する31の専門店が軒を連ねる。
麻布台ヒルズは「ヒルズの未来形」
森ビルはこれまでにも六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなどの再開発事業を手がけてきたが、同社の代表取締役社長 辻慎吾は記者会見で、多彩な都市機能が集積された麻布台ヒルズを「ヒルズの未来形」と表現した。その背景には、東京に海外からの人材や投資を呼び込みたいという強い思いがある。「麻布台ヒルズが年齢や性別、国籍を問わず、多様な人たちを引き込むことは、東京を成長させ、魅力を高めることにもつながっていくと考えている。今後も、国際都市間における東京の競争力向上に寄与していきたい」(辻慎吾)