欧州

2023.08.13 10:00

ウクライナに大量のレオパルト1戦車、その数200両に

Getty Images

同様に、英国もチャレンジャー2のさらなる供与を申し出ていない。おそらく、英陸軍がすでに保有しているチャレンジャー2が少なく、自国で使用するためにアップグレードしたいからだろう。
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何年もかかる可能性のある戦車生産ラインの新設がなければ、比較的数が多いレオパルト1や米国のM-1がウクライナ軍の主力の西側製戦車になりそうだ。M-1の数がレオパルト1を上回るかどうかは、米国がM-1を追加供与するかどうか、そしていかにすばやく供与するかにかかっている。

M-1は強力な120ミリ砲と450ミリの鋼鉄とタングステンで装甲が施された本格的な戦車だが、装甲が薄いレオパルト1A5は戦車というより機動砲だ。

105ミリ砲は正確で威力もほどほどあるものの、車両に張られた装甲は最も厚いところでも70ミリしかなく、ウクライナで日々展開されている戦闘には嘆かわしいほどに不十分だ。重装甲のレオパルト2が打ち負かされているなら、レオパルト1に勝ち目はない。
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だがそれはウクライナ軍がレオパルト1を戦車として、ロシア軍の要塞を攻撃するために機甲部隊の前に配置した場合の話だ。

ウクライナ軍が遅ればせながらフランスが供与した軽量の偵察車AMX-10RCで学んだことをレオパルト1に生かせば、つまり機甲部隊の後方に配置して、安全を確保しつつ長距離砲を発射すれば、古いレオパルトでも実際にいくらか役に立つかもしれない。

レオパルト1A5が徐々にウクライナ軍が運用するなかで最も一般的な戦闘車両の1つになるにつれて、ウクライナ軍はレオパルト1A5の設計の弱点を軽減するためにあらゆる手段を講じることが予想される。手始めに、レオパルト2A4で行ったように、爆発反応装甲を加えることを検討するだろう。

また、火力管制に何らかのアップグレードが施される可能性がある。レオパルト1A5はすでに高精度のEMES18火力管制装置と精密な赤外線暗視装置を搭載している。

だが、カメラ技術の進歩は速い。そしてEMES18は40年前のものだ。ドイツ国防委員会のファーバー議員によると、ラインメタルはウクライナ向けのレオパルト1に「新しいセンサーを搭載しており、これが戦闘において明確な優位性をもたらしている」という。

爆発反応装甲や高度なセンサーを追加しても、レオパルト1A5をレオパルト2A6やM-1A1にすることはできない。ウクライナ軍は真に戦車ではない戦車を大量に受け取ることになっている。

だが、レオパルト1A5は機動砲として歩兵部隊が率先する攻撃にかなり強力な長距離攻撃能力を提供できる。「戦車がないよりましだ」とファーバー議員は指摘した。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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