ウォーターポイント八王子は、普段は地下水を汲み上げ、「ダブル逆浸透膜」精製という高度な技術で飲料水を作っている。緑茶も真水になってしまうほどの高性能なフィルターだ。これに太陽光発電を組み合わせることで、停電時でも飲み水を1日に2000人分、トイレやシャワーに使う生活用水20トンの供給が可能となる。加えて、女性用のテント型トイレ、非常用発電機、炊き出しセットと防災設置品、AEDを完備する。また、ミネラルウォーターの配達に使っているEVも非常用電源として活用される。
日本火災学会の「1995年兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」によると、阪神淡路大震災で、自衛隊などの公的機関に救助された、つまり「公助」で救われた人の割合は、被災者全体のわずか2.5パーセント。残りの97.5パーセントは、自力や家族に助け出された「自助」組だ。これを知ったウォーターポイントは、より大規模な被害が想定される首都直下型地震では公助に頼るのは非常に難しいと憂慮し、自社工場の防災拠点化を決めた。
また、ウォーターポイント代表取締役社長の小早川克史氏は、東関東大震災で水の自動販売機が流されたと聞き現地を視察した際、飲み水や生活用水の不足で被災者が苦労している様子を目の当たりにし、水による災害救助の思いを強くしていたという。こうした民間企業の取り組みが広がれば心強い。
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