深セン市越境EC協会日本支部代表理事でもある氏は、日本の伝統工芸品の販売網拡大のために世界のテック企業との関係を築くうち、気づけば1800社以上の中国企業とのネットワークを築いていたという。そしてECビジネスを通して中国はじめ世界のテック企業の動向を間近に見るうち、「日本人が知らない」最先端のビジネスが日々生まれていることを目撃していく。
「世界のテック企業は、日本人が想像しているよりはるかに先を行っている」──。
この事実を日本に伝えたいと上梓した自著『GAFAも学ぶ!最先端のテック企業はいま何をしているのか:世界を変える「とがった会社」の常識外れな成長戦略』から以下、2016年にサービスを開始した中国の飲食店向けBtoBプラットフォーム「サイケイ」のケースを紹介した箇所を引用して掲載する。
サイケイ(再恵)-「街の飲食店」のDXを加速させる「オフライン版楽天市場」2016年にサービスを開始した「サイケイ(再恵)(Zaihui Internet Technology)」は、飲食店をはじめ200万のオフライン店舗が導入するBtoBプラットフォーム。今日の小売業界において、もはやアマゾンや楽天市場などの巨大ECプラットフォームを抜きには語れないでしょう。そのECプラットフォームの「飲食店版」ともいえるサービスが、「サイケイ」です。
サイケイは、飲食店をはじめとするオフライン店舗を対象に、ブランド管理、マーケティング支援、調達管理などのデジタルサービスを提供する、プラットフォームです。ケータリング、レジャー、エンターテイメント、美容産業、ホテルなど、2万を超える企業・ブランドがサイケイを導入し、飲食店だけでも200万店舗に及びます。
サイケイが提供するサービスは図のとおり、非常に多岐にわたります。
各店舗から上がってくる決済データをもとに、各店舗における注文量、使用した材料、混雑のタイミングなどのデータをリアルタイムで積み上げ、解析することで、加盟する飲食店全体のサプライチェーンをシステム化していきます。そのほか、広告や求人や、テイクアウト宅配などのチャネルを統合する機能もあります。