「Y2K」とは「Year2000」のこと、もともとは西暦2000年になるとコンピューターが誤作動すると騒がれた「ミレニアム・バグ」を指す。妙齢の読者の中には、うら若き日、1999年大晦日の夜、問題が起きた際の対処要員として「オフィスでお年越し」をしたことを懐かしく思い出すむきもあろう。
ところが最近では、若者たちの間で1990年代半ば~2000年代終わりのファッション・トレンドがリバイバルしていることを「Y2K」というらしい。
たとえば、ヘソ出し、ローライズジーンズ、バタフライモチーフ、そして「パラシュート・パンツ」が脚光を浴びているのだ。
つい最近まですっかり忘れ去られていたかに見えた2000年代初頭のルックだが、SNS上でこのパンツを取り入れたコーディネイトが拡散されたことで新たな息吹を吹き込まれている。たとえばTikTokでも女性ファッションの新たなマストアイテムとして様々な合わせ方がシェアされている。
とはいえZ世代が"Aughties "(2000 年から 2009 年までの 10 年間を指す用語)への興味を失っているわけでは決してないものの、「Y2K美学」への情熱は、(母たちの)クローゼットの底に置き去りにされている、二度と見ることができなかったはずのアイテムを掘り起こし続けているのだ。
実際に、独特のナイロンライクな素材で作られた、足首まで締められる超ワイドで型崩れしないウェアを街で見かけるようになった。
もともとはパンデミック以降、家に閉じこもる日が続いたことをきっかけに、若者を含め、スポーツウェアや動きやすい服を着る人が増えた。パジャマやジョギングパンツを何カ月も履いた後では、スキニージーンズやタイトなドレスを着るのは難しい。
また、ワイドパンツに関しては、ベラ・ハディッドやヘイリー・ビーバーのようなスターが、スポーティーでありながらトレンディなルックのために、ブラやバギーTシャツと組み合わせてこのトレンドを取り入れているのが目撃されている。
TikTokでは、#parachutepantsのハッシュタグが3800万回以上再生され、主に様々なオンラインショップやファストファッションブランド、さらには中古サイトでの着こなしや発見をシェアするユーザーから投稿されている。中国のSNSで大流行したJaded Londonというブランドのものがとくに人気のようだ。
パラシュート・パンツは、クロップト・トップス(お腹や胸下までの短い丈のトップス)やボディコン・カットソーを合わせたり、大きめのスウェットシャツと合わせたりすることで絶妙にルーズな効果が出せる。実際、パラシュート・パンツはだいたい何にでも合うし、どんなスタイルにも、どんな天候にも合わせやすい、まさに今のマストアイテムの証だ。
2000年代ファッションの再来は、まだまだ終わりそうにない。次はどのアイテムがカムバックするのだろうか?
(forbesindia.com原文)