ラムトラックでもパワステ喪失の可能性、米当局が調査 テスラに続き

ピックアップトラックの「ラム1500」(Darren Brode / Shutterstock.com)

米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)は8日、欧州自動車大手ステランティスのピックアップトラック「ラム」で、ハンドル操作を補助する「パワーステアリング」が機能しなくなったとの苦情が相次いだことを受け、110万台以上を対象とした調査を開始したことを明らかにした。

同局が公開した報告書によると、2013~16年に製造されたピックアップトラック「ラム1500」で、パワーステアリングのアシストが突然、断続的あるいは完全に失われたとの苦情が380件寄せられた。この問題はさまざまな速度で発生。「ドライバーの検知可能性は限定的」で、3件の事故が報告されている。

あるドライバーは、2013年モデルのラム1500のハンドルがロックされ、「左にも右にも曲がらない」状態になったと報告。別のドライバーは、2014年モデルのハンドルが交通量の多い道路を走行中に「動かなくなった」と報告している。3月にあった苦情では、2015年モデルのラム1500で、パワーステアリングが故障したことで車が溝に突っ込み、前部に軽微な損傷が生じたとされる。

フォーブスはステランティスにコメントを求めたが、今のところ返答はない。ラム1500シリーズは、フォードのFシリーズとシボレーのシルバラードに次ぎ、米国で今年3番目に売れているトラックで、販売台数は7月時点で22万3000台を超えている。

同局は先週、米電気自動車(EV)大手テスラの2023年式「モデル3」と「モデルY」で、ハンドル操作ができなくなったり、パワーステアリングが機能しなくなったりしたとの苦情が12件寄せられたことを受け、推定28万台を対象とした調査を開始していた。うち5件で操舵が不能になったとされる。5月7日に寄せられた苦情では、モデル3が走行中に「車のハンドルが動かなくなったような感覚」が生じ、車が道路から外れて木に衝突したと報告されている。テスラが同局の調査を受けるのは過去3年間で5回目。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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