屋外における燃焼(燃料燃焼)は、稲妻が起こした火というかたちで、200万年ほど前に私たちの祖先であるヒト亜科が最初に気づいたと考えられている。人類が正確にいつ火を初めて利用し始めたのかは、現在も議論の対象だ。しかし、この決定的に重要な第一歩が、今日のテクノロジーの進化を可能にした。
技術的に進歩した宇宙人の存在に思いを巡らす日々を過ごしている研究者たちにとって、最初のハードルは知的生命の始まりを確実にするのに十分な酸素が存在する太陽系外地球型惑星を見つけることだ。また、あらゆる技術文明の萌芽期には、冶金(鉱石から金属を取り出して精製する能力)を促進するための酸素も必要になる。
Nature Astronomy Commentary誌に掲載予定の論文でアメデオ・バルビとアダム・フランクの2人は、地球におけるテクノロジー開発には、大気中での燃焼を容易に利用できることが必要であり、それは酸素の分圧が18%を超える時にのみ可能だと主張。これは「高度」な技術圏の発展には、大気中の酸素濃度が高い惑星においてのみ可能であることを示している。
野外で火を起こす能力が必要なのは、生まれたての文化にとってそれが冶金などに使う入手可能な初めてのエネルギー源になるからだとロチェスター大学の天文学者で論文の共著者、アダム・フランクはいう。
天文学的観察によって検出できるような先進的な技術文明を確立するためには、酸素が必須だと論文主著者でローマ・トルヴェルガタ大学の宇宙論研究者、アメデオ・バルビは述べている。
たき火の近くに座る穴居人たちのイメージ図(Getty Images)