現代の文化は偶然の産物なのか?
地球に21~23%の酸素を含む大気があるという事実は偶然ではないかもしれないと『The Little Book of Aliens』の著者であるフランクはいう。酸素濃度が高くなりすぎて地球全体が火事にならないよう、おそらく生物圏が自主規制したのだろうと彼は述べている。タイミングも重要
地球の酸素濃度の歴史を踏まえると、地球におけるモノの燃えやすさは極めて変化しやすかったと考えられ「1億8000万~2億年前頃の数千万年間は、まったく燃焼させることができなかったかもしれません」と著者らはいう。その期間、初期の道具を使っていた人々は、電波望遠鏡といった高度な技術に必要な金属鋳造ができなかっただろうと著者らは指摘する。複雑な生命に必要な酸素の最低量は、燃焼に必要な量よりも少ないという点が重要だとバルビはいう。これは、複雑な生命や知能にとって十分な量の酸素は存在しても、科学技術の発展に必要な量の酸素が存在しない惑星が存在する可能性を示唆している。
これは、地球外生命のテクノシグニチャー(技術文明の証拠)を探索する現在の戦略に影響を及ぼすのだろうか?
望遠鏡を使える時間が限られているのであれば、研究者はその時間をすでに酸素の存在が示されている惑星に注ぎ込むだろうとフランクはいう。
環境の問題でもある
生命の証拠を表すシグナルを探すだけでなく、そのシグナルが大気中に酸素をもつ惑星からのものかどうかも確認すべきだ。それは、見つけたテクノシグニチャーが本物かどうかを見極めるのに役立つだろうとフランクはいう。地球は酸素の宝くじに当たったのか?
その疑問に対する明確な答えはない。地球の酸素発生の歴史は非常に複雑で完全には理解できていない。果たして酸素濃度20%という数字が、ほぼ必然なのか偶然なのか、それがわかればおもしろいだろうとバルビは語っている。(forbes.com 原文)