今回は、スタートアップのCxOを歴任した植野大輔さんによる「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーから、8月6日の配信記事を掲載します。
引き続き、生成AIのニュースが活況です。ただ、少し過熱感も落ち着いてきて、活用できること、現時点ではまだ難しいことが見えてきた、という感じでしょうか。
さて最近、複数のAI有識者がオフレコで教えてくれたのが、「生成AIによってシニア黄金期が再び来るのではないか」という話です。
生成AIが確実に破壊する(している)のが、調査、レポート作成、イメージ素材の制作、おそらく分析業務も。
あるBCG出身のスタートアップCxOの友人は、「調査レポート作成では、すでにコンサルファームの1年目の新卒アソシエイトより、ChatGPTの方が論理的な文章としてレベルが高い。しかも、スピードは一瞬。新卒1年目はどうプロジェクトで価値を出していくのだろうか?」と話していました。
そうなんです。有識者がオフレコを条件でささやくのが、生成AIが代替するのは、圧倒的に若者が取り組むことの多い作業だということです。
逆に、AIがまだしばらくできないのが、「方向性を定める、決断する、責任を取る」の3つ(そのうち、AIに責任を押し付けるダメ社員も出てきそうですが……)。
これぞ、シニアの仕事です。そういう意味では、シニアの方がAIを徹底的に使いこなせば、熟練の経験とリーダーシップに、AIによるすさまじい生産性の作業パワーが加わり、大きな活躍ができる。そんな可能性が待っているのです!
もちろん、未来ある若者に、AIでできる作業を押し付けるのではなく、AIではできない経験、挑戦をたくさん積んでもらうのも、シニアの大事な責務です。
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