でも、クレカのタッチ決済で電車に乗れると、何かいいことがあるのだろうか? 全国相互利用が可能になった今の交通系ICカードで十分にことは足りている。自動チャージにしてスマートウォッチでタッチするようにしておけば、まったくその存在すら意識せずに使える。強いて言えばクレカのポイントが貯まるぐらいかな。
いちばんメリットを感じるのは、訪日外国人だろう。日本に来てからわざわざ交通系ICカードを入手して日本円でチャージしなければならない手間が省ける。自分のカードが使えれば、そのままさっと乗れてしまうのだから便利だ。海外で初めて地下鉄に乗るとき、どこで何をどう買えばいいのか戸惑った経験のある人なら、共感できるだろう。
今回の実験で使えるのは、タッチ決済可能なクレジットカード、デイビットカード、プリペイドカード、スマートフォン、ウェアラブル端末。また同時に、QRコードを自動改札にかざして乗れるシステムも試される。東京メトロではこれをあくまで「交通系ICカードを主軸としつつ」としているので、将来的に交通系ICカードがクレカに切り替わるというわけではなさそうだ。
今はそのメリットがピンとこなくても、決済方法の選択肢が増えるのはいいことだ。たとえば福岡市地下鉄では、クレカによる支払い上限が640円に達すると1日乗車券を買ったのと同じ扱いになり、乗り放題になるというサービスを開始した。これを機に、いろいろなサービスや特典が柔軟に取り入れられるようになれば、電車に乗るのが今より楽しくなるだろう。
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