リーダーシップ

2023.08.12 10:00

「あがり症」を克服するのに役立つ大事なヒント

人前で話す技術をマスターするためのヒント

「プレゼンの前に、私が長年続けている習慣の1つに、『自然とつながる』というものがあります。そうすることで、スピーチをすることが本当に取るに足らないことだと感じ、恐怖心も消えていくのです」

 これは、心を静めるためにブレイクリーが行なっているすばらしい戦略の例だ。他にもいくつか役立つヒントがあるので紹介しよう。

・会場を下見する

ストレスホルモンを誘発するようなサプライズがないように、プレゼンの前に試運転をしておく。ステージに座る場合は、聴衆とより親密になれるよう、椅子を前に寄せる。椅子の高さは、服装選びにも影響することだろう。

スピーチを立って行う場合は、演台をなくすことを検討しよう。ステージを動き回れるスペースがあるかどうかを判断する。もしあれば、照明に慣れ、いくつかの動きを練習しておく。

・話す内容を頭に入れる

自分の話す内容やプレゼンの目的をよく理解することは、緊張を和らげるのに役立つ。しかし、話を丸暗記するのは良くない。あまりに教訓的に聞こえてしまうし、単語やセリフを忘れたり、聴衆から予想外の反応が返ってきたりすると、慌ててしまうかもしれないからだ。余裕があれば、スピーチの練習風景を何度か録画してみよう。聴衆が見る自分の姿をイメージすることができる。

・少なければ少ないほどいい

もちろん、あなたは聴衆と共有すべき知識を山のように持っていることだろう。あなたはエキスパートなのだ。しかし、ほとんどの人は一度に20分しか集中できず、せいぜい3つの重要事項しか覚えられないということを忘れないでほしい。そのため、コンテンツの取捨選択には細心の注意を払おう。

・イントロダクションを工夫する

最初の一言が一番難しい。すべての視線があなたに向けられており、あなたはまだ聴衆とのつながりを確立していない。レトリック(反語的)な質問を投げかけたり、聴衆にアンケートを取ったりしてみよう。そうすることで、あなたへの注目を和らげることができるだろう。

・パワーポーズをとる

ステージに上がる前に、自分がいかに有能かを思い出してみよう。両腕を高く上げ、1分間その状態をキープする。自分に自信をつけるのだ。

・呼吸をコントロールする

ステージに上がる前、あるいはステージに上がっている最中でも、心臓がバクバクしていることに気づいたら、それを抑えるための呼吸法を取り入れよう。このようなテクニックは、実際に必要になる前、ストレスの少ない時に練習しておくのがベストだ。私が好きなのは、3秒間息を吸い、3秒間息を止め、3秒間息を吐くという方法だ。

・記憶に残るようなスピーチを

どのようなプレゼンテーションでも、あなたのゴールは何らかの知識を共有することであり、説教することではない。また、記憶に残るような方法で知識を伝えたいものだ。そのための簡単な方法は、プレゼンにストーリーを盛り込むことだ。ストーリーの中に織り込まれた物事は、通常より22倍も記憶に残りやすい。

・聴衆に仲間にする

同僚や友人を聴衆席に座らせ、あなたから見えるようにする。そして、うなずく、微笑む、親指を立てるなど、あなたを落ち着かせるためのシグナルを出してもらおう。緊張が忍び寄り始めたら、ささやかな応援のジェスチャーを探してみよう。そして、聴衆のほとんどが赤の他人であったとしても、そうした友好的な味方と意図的にアイコンタクトをとるようにしよう。

・不完全さを受け入れる

一瞬思考が固まったりしても、あまり気にしないようにしよう。ネガティブなことにこだわってもストレスが溜まるだけで、残りのプレゼンにも悪影響を及ぼしてしまうだけだ。聴衆はあなたを批判するためにそこにいるのではなく、学ぶためにそこにいるのだということを忘れないようにしよう。

何かを避けようとすると、それに対する恐怖心を強めることになる。人前で話す機会を何度も断ってしまえば、あなたのパーソナル・ブランドを高め、オピニオン・リーダーとしての地位を確立し、会社で出世するチャンスを逃してしまうかもしれない。サラ・ブレイクリーは次のように話している。

「私は何度もスピーチをしてきましたが、それでも怖くなることがあります。勇気を出す唯一の方法は、恐怖を感じながらでもとにかくやってみること。あなたならできる!」

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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