米国発のパーソナルコンピュータであるMacintoshシリーズから始まり、1998年にはそれまでにないポップでカラフルなデザインのオールインワンコンピュータ、iMacが一世を風靡し、2007年には現在の同社を代表するスマートフォンiPhoneが登場。さらにAppleストアも展開している(Apple銀座は2003年にオープン)。
そんなハードウェアとソフトウェア、そしてサービスを包括的に全世界に向けて提供するアップルは、マーケットとしてだけでなくさまざまな点において日本と深い関係を築いている。
日本のサプライヤーへの支出は5年で総額約14兆2500億円以上
iPhoneやMacは、アップルが提供する重要なプロダクトだが、その製品づくりにおいて現在、1000社近い日本のサプライヤーが協働し、同社に最先端の部品などを提供している。そのうちの1社である大阪の日東電工は、20年以上、アップルと仕事をしているという。同社はMacBookといった製品のディスプレイ用偏光板を生産している。同社とアップルのエンジニアは長年にわたって、そのテクノロジーに取り組み、薄く軽量で高性能なディスプレイ用偏光板が実現。同社は「ディスプレイ用偏光板に関する私たちのコラボレーションは、世界中の何百万人ものお客様にすばらしい製品をお届けすることに貢献してきました。私たちの才能ある従業員の仕事が、世界規模で共有されているのを見るのはすばらしいことです」と述べている。
ラボでMacBookを検査する保護具を着た日東電工の作業員
また日東電工は、屋根に設置した太陽光発電で電力をまかなうなどクリーンエネルギーを使用することで、アップルが掲げている2030年の環境目標の一端も担っている。
このアップルによるサプライヤー・クリーン・エネルギー・プログラムに参加する日本の製造パートナーの総数は2023年だけで30パーセント近く増加。耐久性の高いコーティング技術をもつ埼玉県大宮市のカシューもそんな1社だ。現在40社以上の日本のサプライヤーが2030年までに100パーセント再生可能エネルギーでアップル製品を製造することを目標にしている。
過去5年間のアップルによる日本のサプライヤーへの支出は、総額1000億ドル(約14兆2500億円)以上となっている。