食&酒

2023.08.14 12:30

創業期の原点に立ち返る味 ファミトラ三橋克仁の「推しメシ」

ファミトラ 三橋克仁CEOの推しメシ 「豚骨醤油らーめん 福気」の黒福らーめん

ファミトラ 三橋克仁CEOの推しメシ 「豚骨醤油らーめん 福気」の黒福らーめん

社会で活躍するリーダーや、著名なビジネスマンたちのパワーの源は何なのか?彼らの「パワーフード」から探るシリーズ。
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今回は、ファミトラ代表取締役CEOの三橋克仁さん。東京大学大学院に在学中の2012年にmanaboを創業し、オンデマンド個別指導アプリ「manabo」を自ら開発。ベネッセ、Z会など国内大手各社との業務資本提携を主導した後、同サービスを十数万人の生徒と講師をつなぐ規模へと拡大。2018年、駿台グループへ売却した。

2019年には、信託DXで家族の資産に関わる課題を解決するBOSSA Technology(現ファミトラ)を創業。以来、「家族信託」の普及に邁進している。同サービス顧客の契約資産は約150億円(2023年6月時点)、累計調達額は約17億円に上る。

そんな三橋さんが、シーチキンとキャベツの炒めものにマヨネーズを付けて豪快に食べていたという少年時代を経て、現在「推しメシ」にあげるのは、港区大門にある「豚骨醤油らーめん 福気」の黒福らーめん(濃厚醤油味)。
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「辛ネギトッピングは必須です。兎にも角にも旨い!そして辛いです。脂の甘さにうっとりしますが、カロリーが高いし、ニンニクたっぷりで、これを食べてはいけないとわかりつつ、罪悪感が旨さをより加速させているのかも(笑)」(三橋さん)

三橋さんは1社目を起業してお金がなかった頃、近く取り壊しが決まっていた坪5000円で借りられるオフィスビルがあると聞きつけ、すぐに契約。そのオフィスの近所にあったのが、「豚骨醤油らーめん 福気」だった。

「その頃、社員は3人しかおらず、社長といっても自分でインフラも見ていました。ある日、黒福らーめんをすすっていたら携帯が鳴り、『サーバーが落ちてサービス停止のトラブルが発生した』との緊急連絡が入りました。その場で2秒くらい考えた末、全速力でらーめんを食べきり、ダッシュでオフィスに戻ったのは、懐かしい思い出です(笑)」(三橋さん)

忘れられない食の記憶は、もうひとつある。大学院生だった頃、内定が出ていた外資系コンサルティング会社の社長に連れて行ってもらった西麻布の「L’Effervescence」だ。

「日本屈指のフレンチで、全てが絶品でした。料理にも感激したのですが、それ以上に社長が添えてくれたストーリーが印象的で。店のオーナーシェフは大学時代、ジャーナリストを目指して政治学を専攻し、アルバイトから料理の道に入った異色の経歴の持ち主なんです。社長はそれを教えてくれた後、『このお店のオーナーシェフは、シェフとしては特異な道を経て今の地位に至る。何だか三橋君の人生に似ているね』と言ってくれました。今でも鮮明に記憶に残っています」(三橋さん)

以来、三橋さんは公私問わず人生の岐路についての話をする時や祝いの席などには、このレストランを訪れている。

一方で、六本木にオフィスを構えるようになった今でも、三橋さんはわざわざ車を出して大門の「豚骨醤油らーめん 福気」に足を運ぶことがよくあるという。理由は、あることを思い出すためだという。

「味も旨いのですが、ここでらーめんをすすっていると、何より創業期の原点を思い起こさせてくれます。自分が調子に乗っていたら戒めて、元気がなければパワーをくれる。そんな時、『自分はまだ何者でもないんだ』と思える、雑草魂のシンボルのようなお店です。皆さんも大門近くを通ったら、『豚骨醤油らーめん 福気』に立ち寄っていただき、『三橋は、ジャンクが好みなのだな〜』と思いながら、このらーめんを食べてみてください(笑)」(三橋さん)


豚骨醤油らーめん 福気
住所 港区芝大門2-1-1
TEL 03-6402-9011

文=中村麻美

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