働き方

2023.08.08

夏ボーナス直後に大量退職する「さとり世代」の皮算用

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2000年前後に生まれた現在20代の世代は、夏のボーナスの時期に勤めていた会社を辞める傾向が強いことが、退社代行サービス「EXIT」の調査でわかった。これは人生に冷めているように見られる「さとり世代」の若者ということだが、その原因を見ると、どうも彼らだけの問題ではなさそうだ。

EXITが、2022年5月16日から2023年6月28日の間に利用者を対象に行ったアンケート調査によると(回答数は4998件)、EXITの利用者、つまり会社を辞めようと考えている人の約7割が20代で、20代の退職申し出が多い時期は6月から8月、なかでもボーナス支給時期の6月が多いことがわかった。

「ボーナスをもらうまで頑張ろう」と、ボーナスを一区切りに考える退職ありきの社員もいるが、「ボーナス支給がないのと転職先が決定したため」、「入るときにボーナスあり昇級ありと書かれていたが実際はなかった」といった意見からわかるように、ボーナスが支給されないので辞めるというパターンが目立つ。

頑張ってせっかく就職したのに、すぐに辞めちゃうのは「さとり世代」ならではの根気のなさゆえかと決めつけてしまいそうだが、会社の待遇の悪さも大いに原因しているようだ。EXITは、社員のモチベーション向上につながるはずのボーナスの金額が「適正に設定されていない場合などの退職意向につながる傾向がある」と話している。このまま頑張っても辛いだけと悟ってしまえば社員は辞める。とくに入社間もない若い社員は、頑張っているのに話が違うと気がつけば、もっと将来性のある会社に転職するのは当然のこと。離職を一方的に世代のせいにするのは筋違いだろう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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