食&酒

2023.08.10

家族で味わう「カツオとアボカド卵かけご飯」エーテンラボ長坂剛の推しメシ

長坂剛の推しメシ カツオのたたきとアボカド入り卵かけご飯

社会で活躍するリーダーや、著名なビジネスマンたちのパワーの源は何なのか? 彼らの「パワーフード」から探るシリーズ。

今回は、エーテンラボ(A10Lab) 代表取締役CEOの長坂剛さん。東京工科大学メディア学部を卒業後、ソニーへ入社。B to Bの営業やプレイステーションネットワークのサービス立ち上げに従事した後、ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」から独立し、エーテンラボを創業した。現在は130万ユーザーが利用する、行動変容のための習慣化アプリ「みんチャレ」を開発・運用している。

同アプリは、ダイエットや運動などといった生活習慣の改善から勉強、病気の治療継続まで、幅広い用途に活用できる優れもの。導入したことで、「糖尿病患者の歩数が2倍になった」などという研究結果も出ており、個人利用のみならず、企業や自治体での活用も広がっている。

そんな「効果が出るヘルスケアアプリ」の産みの親、長坂さんは、学生時代、ディレクターとして医療情報番組の制作に携わっていた経験を持つ。納品日直前、徹夜明けの眠気覚ましに食べたCoCo壱番屋の「ほうれん草カレー 3辛」の刺激が忘れられぬ一方、現在の「推しメシ」は、自宅で作る「カツオのたたきとアボカド入り卵かけご飯」とヘルシー。仕事に追われて忙しくしていた起業後、夕食を食べ損なった日の夜食として、奥様が作ってくれたのがきっかけだという。

「仕事で張り詰めていた緊張感がほぐれて、食が進み、疲れが取れました!以来、妻にリクエストして何度も作ってもらっていたのですが、材料さえあれば簡単にできるので、リモートワークのランチ時に自分でも作るようになりました」(長坂さん)

「カツオのたたきとアボカド入り卵かけご飯」は普段、魚を食べたがらない6才と12才のお嬢さん達も喜んで食べてくれるとあり、長坂家鉄板のレシピとなった。

長坂さんの幼少期の思い出の味は、酒屋を営む祖父母の家に年末年始に行った時に食べる「名鉄菜館」の中華お節料理。

「酒屋は、お正月といっても配達やら店頭やらで、お店は大忙し。そんな仕事の合間をぬって親戚が集まっては、中華のお節をつまみながら賑わう食卓が、子供心に何よりの楽しみでした。今は、妻と子供の4人家族で食卓を囲むのが至福の時間です。『カツオのたたきとアボカド入り卵かけご飯』は、メニューは違えど、幼い頃に親戚と囲んだお節料理と通じるものがあります」(長坂さん)

また、人生で忘れられない一期一会の食は、新婚旅行で訪れたギリシャ・シンタグマ広場のホテル最上階で食べた「フェタチーズサラダ」。当時、ギリシャ・ショックの真っ只中で、階下ではデモ隊と警官隊が激しくぶつかる光景が繰り広げられていたが、最上階のレストランからは美しい夕暮れを眺められたという。

「非日常のなかで口にしたフェタチーズの味は、格別に美味しくて、忘れられないものとなりました」(長坂さん)

長坂さんにとって食とは、単に食そのものを味わうという行為ではなく、ともに食卓を囲んだ人たちや歩んできた道のりについての記憶を呼び起こし、活力を与えてくれる「大切なスイッチ」のようなものなのかも知れない。

文=中村麻美

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