AIがあなたの「性格」を判断する
テクノロジーが人々の機会にどのような影響を与えるかを調査するNPOの「Upturn」の政策アナリストのウルミラ・ジャナルダンは、候補者を選別する上で、性格テストに頼っている企業もあると指摘し「AIが判断した人格が原因で、不採用になる場合もある」と述べている。パートタイムの画家で作家でもあるリック・グネッドは、オーストラリアのスーパーマーケットのWoolworths(ウールワース)の倉庫の仕事に応募した際に、チャットボットの性格テストを受けた。Sapia AI(サピアAI)と呼ばれる企業が作ったチャットボットは、5つの質問に対して50語から150語の回答を求め、彼の性格やスキルを判断した。
その結果、グネッドは「変化に柔軟に対応でき、大局的な視点に立ち、細部にまで気を配ることができる」と判断され、次の面接に進むことになった。サピアAIの共同創業者でCEOのバーブ・ハイマンは、同社のツールが、応募者に時間制限を与えず、回答の文章の構造や、読みやすさ、回答文に使われている単語の複雑さを測定しているとフォーブスのEメールの取材に答えた。
グネッドは、このような採用プロセスが人間味に欠け、今後が心配だとフォーブスに語った。「私は影響を受けない層にいるが、低所得層の労働市場を構成するマイノリティの人々が心配だ」と彼は述べている。
また、別の匿名の求職者は、ボットとのチャットには少なくとも1つのプラス面があると語った。何百もの求人に応募した結果、まったく返事をよこさない企業もあるが、ボットとの会話があれば、少なくとも自分の申請が受け付けられたことは確認できる。
「多少は励みになる気もする。でも、仕事に応募するたびに、チャットボットと会話しなければならないとしたらとても面倒くさい」と彼は語った。
(forbes.com 原文)